「ラーメン発見伝」 久部 緑郎

「こ、これは言わば1センチのマジック!!ラーメンを知り尽くした職人の凄みが ここにはある!!」

ちょっと前に「めしばな刑事タチバナ」を読みましたが、今回もグルメ漫画です。
それもラーメンのみ!(ちょっとうどんとかそばとか出るけど)

ラーメンという食べ物の奥深さ

私は「食べれりゃおっけー」という味のハードルが極端に低い人間なので正直ラーメンに関しては「おいしー」と「すっごいおいしー」の二種類しか物差しを持っていません。
「ラーメン食べよう」と思ったらせいぜいショッピングモールのフードコート。最近まで通ってた大学の学食ですら美味しいと思っている始末。
考えが古いのかラーメンって「ごちそう」という感じじゃないんですよね。
だから最近の1,000円近くするラーメン食べるぐらいならパスタ食うわとか思っちゃう。
でも「ラーメン発見伝」を読んでラーメンの奥深さ、そしてスープからタレ、麺に至るまで全てに工夫が凝らしてあり、まさに「一杯のフルコース」と言えるぐらい職人さんの努力によって出来ているんだなと思いました。

らーめんオタク藤本が本物になっていく

初期でこそただのラーメンオタクですが、主人公の藤本は様々なラーメンに出会い、そして様々なラーメンの問題に立ち向かい本物の「ラーメン職人」担っていくのがこの物語の核です。
ですが、そこにはラーメンを通じて面白い人、嫌な人、真面目な人…いろいろな人々に出会います。
温厚で面白いラーメン評論家「有栖涼」、ラーメンに関する仕事ばかり回す上司である「四谷」、いつも手伝ってくれるラーメンこいけの「小池」。
その中でも藤本のライバル「芹沢」。
彼こそがこのマンガのもう一人の主人公でした。

芹沢こそがラーメン業界の真の姿!?

芹沢は「客の殆どは舌バカ」と言い放つほど傲慢なラーメン職人ですが、最高のラーメン職人でもあります。
どんなに繊細で美味しいラーメンを作っても一般の人にはわからない、一般人でもわかるこってりした味付けで稼ぎ、味のわかる一握りの客のために渾身の一杯を作っているのです。
私は間違いなく「味ばか」の中に入るのですが、不思議とこれに「カチン」ときたりしませんでした。
もっと目の前の一杯、一口の食事に気を配らなくてはいけないのでは?と思いました。
もちろんそんな堅苦しさがないのもいいことですが、どんな料理も作った人がいるわけで料理に対してもっと感謝の気持や理解する頭が必要では?と。

「ラーメン発見伝」は本当に勉強になりました。
どっかのダラダラ続けている”グルメのフリしたプロパガンダ漫画”にくらべて最終回の締め方も最高でしたし、誰でも身近なラーメンの事を知るいい機会になるはずです。
ぜひ読んでみてください!

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