骨太の復讐劇ネイティブアメリカンマンガ「RED」

RED(1) (ヤングマガジンコミックス)

こんばんは、ALVAです。
普段あまり読まないようなマンガを読むのはなかなかきっかけがないと難しいものです。
友達に勧められた村枝賢一先生の「RED」は、まさに私が絶対読まないタイプの漫画でした。
1998年連載開始なので私はそのころ一桁でギリ小学生ですから、連載当時のことも知りません。
絵の雰囲気は一昔前、血は出るし首はもげるしみんな死ぬ。
子供から大人まで皆殺し、1冊の90%は血が描かれてるんじゃないのってレベル。
血液恐怖症の私にとってはいわば天敵ともいうべきこのマンガにどっぷりハマってしまい一晩で読み明かして今ブログを書いています。

~少しネタバレがあります!~

復讐劇という血塗られたストーリーに真正面から挑んだ作品

本作のテーマは「復讐」です。
主人公のレッドはネイティブアメリカン部族「ウィシャ族」でしたが、レッドを除き部族の全員が騎兵隊によって虐殺されてしまいます。
その騎兵隊のメンバーへ復讐していくといったストーリー。
復讐のためにアメリカを彷徨うレッドに日本から流れ着いた伊東伊衛郎や娼婦のアンジーなどが同行し、ブルー小隊と呼ばれる元騎兵隊のメンバーを次々と殺していくといった感じです。

この作品のすさまじいところは「復讐なんて何の意味がある!?」「そうだな、やっぱやーめた」というお約束の展開がないということ。
たいていのマンガでは主人公が復讐を行おうとする人とこんなやりとりしますよね。
「復讐なんて何のためになるんだ!」
「復讐をしたってなにも戻っては来ない!」
「復讐は何も生み出さない!」
「復讐をしたら奴と同じになるぞ!」
わたくし、ハトもびっくりの平和主義者なのですがこの理論には納得がいきません。
「やられたらやり返す」
そう言うつもりはないですが、やられっぱなしでいいはずもありません。
やられた分はきっちりお返しして、初めて相手と対等の立場になるのです。
じゃないとやった方は「やっても仕返しされない」と考えるし、「だったら好きなだけやってやろう」と思うかもしれません。

例えば借金でたとえてみましょう。
人々にお金を貸して、それを一切取り立てなかったらはたしてどれだけの人が自主的にお金を返しに来るでしょうか。
きっちり取り立てを行うからこそ、お金は帰ってくるわけです。

以前パンプキンシザーズというマンガでこんなセリフがありました。
「善人面で言うヤツがいる…”仕返しなんてしたらお前をイジメた奴らと同じになるぞ”ってな。なに言ってんだその”同じ”になりたいんじゃネェか。」
手段や考え方は滅茶苦茶で賛同できませんが、この言葉には何かを感じました。

本作の主人公レッドはとにかく最後まで「キッチリ」復讐をしようとします。
その復讐という強い意思に共感し共に歩む仲間も現れます。
旅路の果てで、果たしてレッドはその復讐を達成できるのか・・・!
面白い作品ですのでぜひ読んでみてくださいね!

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