ポンコツお兄様と超有能妹のヴァンパイア兄妹『オズとエルザ』

”そしてこの俺が新世界の王となるのだっ!”

オズとエルザ(1) (角川コミックス・エース)

吸血鬼みたいに日中は寝てたいALVAです、こんばんは。

先日ジャケ買いしてしまったマンガ『オズとエルザ』。
可愛い絵とちょっと共依存っぽい凸凹兄妹が血を吸わないヴァンパイアとして楽しくも波乱万丈な暮らしをするというストーリー。

化物が興隆を極めた時代は終わりを告げ銃や照明、工業製品の発達などでもはや化物が生きるのが難しくなり始めた時代。
領主の館の片隅で細々と生きるヴァンパイア兄妹。
背は小さくも大きな野望を持ち良き支配者としての素質を持つ兄・オズ。
人と共存し生きることの素晴らしさを知った妹・エルザ。

ふたりはもともとこの領地の領主であったヴァンパイアの末裔。
しかし今は領主の温情で館の片隅に住まわしてもらっています。

兄・オズは体は小さく傲慢で不遜に見えますが、実は優しく王としての高い素質を持っています。
誰も見捨てず、相手によって態度を変えずどんな者にも差別せず尊大な態度で接します。
妹や領主が攫われれば危険を顧みず助けに行きます。
ツンデレというか常にツンツンしてるのですが可愛いです。

妹・エルザは心優しいヴァンパイアの少女。
でも身長がすっごい高くて2m近くありそう。
人間との共存、そして家族である兄との慎ましい暮らしを続けていきたいと思っています。
とにかく”優しさ”があり、それこそが最大の弱点となってしまっています。
兄想いなのでオズのことを常に気にかけています。
優しいばかりじゃなくて、しっかりと芯のある印象で立ち姿はまるで燕子花。

領主の館の庭師の少年・エドワードは人間代表、そして読者の気持ちを表現するようなポジション。
オズと言い争いをしながらもなんだかんだで仲良くなっている。
オズにとってはエドワードは下僕らしく、エドワードにとっては遊び相手みたいなもののよう。

パティはオズの下僕。
色々とネタバレになるので書きませんが、とっても可愛い下僕ちゃんです。
オズの言う”下僕”はどちらかといえば”家臣”(それもかなり家族寄り)のようなものですね。
ほんっと―に可愛くて健気で、でもかなりヤバくて大好きなキャラクターです。

キャラクターはこんな感じでしょうか。

ストーリーは言うほど1巻では動いていません。
大きくお話が動くのは2巻からでしょう。
とはいえ今調べたらなんと2巻で終わってました。

1巻の最後があの展開で2巻で終わるとか…。
もし打ち切りだとしたらマンガの世界は厳しいですね。
このマンガは1巻での導入をとても丁寧に行っていて、しかもそれでいてテンポも良いのです。
緊迫したシーンでもちょっとしたギャグが入り、それが面白い。
キャラクターも良い。

これがもし1巻の時点で進みが遅くて切られてしまうのだとしたらいくら面白いマンガでも相当厳しいでしょう。
個人的には連載が始まったら4巻までは保証してほしいと思います。
なんならあんまり好きではないですが電子書籍でも良いので。

じゃないと序盤から展開展開ばっかりの忙しい漫画か展開の一切ない日常マンガしか読めなくなっちゃう気が…。

テーマも良く、しかもヴィクトリア期を描く貴重なマンガだったのに…!
いっそおなじ角川でもコミックビームの方がよかったのでは…?

とはいえまだ2巻読んでないので普通に2巻でキレイに風呂敷をたためてたらごめんなさい。
最近好きなマンガの打ち切りが多くて…。

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