[FGO] 2部第3章のサーヴァントを整理してみた(その1)

中華サーヴァント勢揃い!

シンピックアップ2も来たので、今回は新実装の6騎を3騎ずつ2回に分けて簡単に紹介したいと思います。

現在LB3実装済みのサーヴァントは6騎。
☆3:1騎
☆4:3騎
☆5:2騎
という内訳になっています。

ピックアップ1(シンピックアップ召喚)

LB3実装直後に追加されたサーヴァントたち。
☆5:項羽
☆4:蘭陵王、秦良玉

ストーリー序盤から登場するサーヴァントが多い。

項羽

項羽(こうう)
クラス バーサーカー
レアリティ ★★★★★(5)
最大攻撃力(Lv.90) 11,613
最大体力(Lv.90) 13,770
宝具 Quick全体宝具

項羽のエピソード

項羽は中国史において最強と言っても過言ではないような戦果を上げた人物。
単騎であっても数十人~数百人を倒した逸話が残り、兵を率いれば1人が10人力になるほどで武将としての才覚は抜きん出ています。
反面、政に関しては無頓着だったように思え、最大のライバルである劉邦の元へと有能な臣下は去ってしまいます。
千万と言われるほどの捕虜や民間人を殺害するなど数もインパクトも凄まじいのですが、とにかく戦に強く、秦の崩壊という混乱期に70回以上の戦争繰り返し最期まで(ほぼ)無敗という恐るべき人物です。

FGOでの項羽

天下を取りかけてもまるで敢えて手放すかのような選択を取ることがあり、優秀な将を不遇し劉邦の元へ逃げられるなど不可解な行動が目立つ項羽。
史実では粗暴で直情型の戦しか能がないような人物として描かれる事が多いのですが、FGO世界の項羽は「天下泰平」という目的がプログラムされた仙術人造人間でした。
始皇帝亡き後、起動した彼は混乱に陥った中華を早期に安定させることを目指します。
すなわち「次なる天下人を作る」。
人智を超えるような演算結果により次の天下人を劉邦と決め、劉邦の成長の促進と統治範囲の単純化のために中華を切り刻みコンパクトにして、敢えて敵となって項羽 VS 劉邦という2つの勢力へとまとめ上げることで劉邦への権力移譲を行ったのです。
その結果、史上初の中華統一を成し遂げた秦の崩壊からたった4年で楚漢戦争は終結し劉邦は漢王朝を興すほどになりました。

項羽には史実でもあの有名な「四面楚歌」の言葉が生まれた生涯最期の戦いである「垓下の戦い」で愛人である虞美人へと詩(垓下の歌)を送っています。

力は山を抜き気は世を蓋う
時利あらずして騅逝かず
騅逝かざるは奈何すべき
虞や虞や若を奈何せん

かなりアバウトにですが現代語っぽくしてみますね。

私の力は動かない山をも動かし、気迫はこの世を覆うほどだが
しかし時の運は私に味方せず、愛馬である”騅(すい)”は前へと進もうとしない
騅が進もうとしないというのに、いったい私に何ができようか
ああ、愛する虞よ…虞…そなたには何もしてやれない…。

このように最期の時まで虞美人のことを気にかけるような詩を贈っていることから、項羽にとっての虞美人の存在はとても特別なものだったことがわかります。

異聞帯では人造人間のまま休眠することもなく、改良を施され人型だった項羽も次第にケンタウロスのような人馬一体の姿へと変貌していきます。

項羽の性能

項羽は実装時にQuick全体宝具であることがわかり、現在流行しているWスカディシステムでの運用を期待する人も多かったのですが黄金律などのNP獲得アップやNP獲得スキルがなくあまり適していないことがわかりました。
その期待と失望からユーザー間の評価が若干低めに思えますが、☆5全体宝具のバーサーカーというだけで十分な価値があります。
現状の☆5全体宝具は限定サーヴァントの源頼光しかおらず、恒常で召喚可能な項羽の存在は貴重です。
スキルでは無敵貫通を3ターンも持続でき、クリティカル威力アップスキルは2種も所持しておりB/Q性能アップまであります。
1ターン回避もあるため必要最低限の自衛手段は持っており十分活躍できそうです。
反面スター集中スキルがないためクリティカルを活かすためには何らかの対策は必須です。
初心者にも有り難いことに新素材を要求される4回目の再臨はさせなくても十分なステータスが確保できるような成長曲線も嬉しいです。

蘭陵王

蘭陵王(らんりょうおう)
クラス セイバー
レアリティ ★★★★(4)
最大攻撃力 9,112
最大体力 12,625
宝具 Arts全体バフ/デバフ宝具

蘭陵王のエピソード

中国の南北朝時代に活躍した武将で北斉の皇族。高長恭。
北斉の皇帝である武成帝の居る洛陽が北周によって包囲されると有能武将・段韶&斛律光と共に待ち構える敵を打ち破り救援に駆けつけます。
500騎を引き連れ包囲を突破するも洛陽の守備兵は仮面を付けた蘭陵王を敵か味方か判別できませんでした。
そこで蘭陵王が仮面を取り素顔を晒したことでやっと守備兵は開門し城内へと迎え入れ、北周に勝利します。
この功績から兵士たちは「蘭陵王入陣曲」を作りその武勇を称えたのでした。
その後も段韶などとともに戦果を上げ続け、武成帝の後継者である後主から「敵陣深くまで入って怖くなかった?」と聞かれると「家の大事だったので怖くなかったです」と答えたため、後主は皇帝を差し置いて国家の一大事を「家の大事」と語ったことや、蘭陵王の武勇や人気から忌み嫌うようになります。
前述の通り蘭陵王は北斉の皇族であり初代皇帝の高洋(文宣帝)は叔父(父親の弟)に当たる人物で、4代皇帝の武成帝も同様に父の弟、その息子である後主は従弟(いとこ)に当たる人物であり「家の一大事」というのは自然です。
蘭陵王は後主から疎まれていることを自覚しており、わざと戦利品を貪るなど自分の評判を落とそうと努力しますが部下に逆効果だと諭され涙を流しながらどうするべきか相談したとされています。
結果として自らの意思と反してどんどん昇進してしまい、蘭陵王と共に戦った斛律光が粛清されると翌年には後主より毒薬を賜り服毒自殺。

両者を自ら殺してしまったことが致命的な軍事的衰弱を招き愚かな後主は国が危うくなると、若干7歳の自分の息子に皇位を押し付け国内を逃げ回った挙げ句、部下に裏切られ一族もろとも殺されてしまいます。
優秀であっても絵に書きたような暗愚な王によって自害させられた悲劇の美男子として蘭陵王は後世に伝わりました。

将軍であっても自ら歳事を処理する、果物を賜ったときは将兵と分け合ったなど穏やかで高潔な心の持ち主で勇敢でもありました。
仮面のエピソードから絶世の美貌を持つ美男子とされ、中国では失われましたが日本に伝わり雅楽として残っているほどです。

FGOでの蘭陵王

史実通り毒を賜り死を迎えますが、悠久の時を生きる虞美人とはたまたま友人だったようで死の間際も共にいたことがわかります。
異聞帯には南北朝時代が無かったことからどうやら存在していない…?のかもしれません。
桃園ブラザーズいるのでもしかしたらいるかも…。

蘭陵王の性能

宝具は攻撃寄りのバフ/デバフで、敵全体のチャージ減&クリ発生ダウン(3T)、味方全体の攻撃力アップ(3T)&被ダメージカット(3T)という強力なもの。
回数でなくターンでダメージカットしてくれるため宝具レベルが高いとチャージ減少で敵の宝具を撃たせず、クリ発生ダウンで事故防止、味方の火力を上げて攻撃支援と鉄壁の攻防自在っぷりを見せてくれます。

スキル1は自身に無敵2回付きのカリスマ系スキル”隠美の仮面”で味方全体の攻撃力アップ
スキル2は味方単体に最大20%のNP付与&強化成功率アップ(1T)
スキル3は味方全体のアーツアップ&確率でスター発生・クリ威力アップ

そのためスキル2を自身にかければスキル3の確率付与を確定化することもできますし、味方にかけて皇帝特権のようなスキルを成功させることも可能です。
全体的に噛み合ったサポーターなのでアーツパはもちろんどんな組み合わせでも活躍しやすい性能となっています。

秦良玉

秦良玉(しんりょうぎょく)
クラス ランサー
レアリティ ★★★★(4)
最大攻撃力 8,295
最大体力 13,387
宝具 Arts自バフ宝具

秦良玉のエピソード

トネリコの槍を持った白杆兵を率いて衰退していた明を最期まで支えた女性武将。
夫と共に戦い戦功一等を得るほどの武勇を持ち、夫亡きあとは代わりに自領を統治します。
この頃の明はわずか10歳で即位した万暦帝が政務を放棄しており、財政は破綻し急速に衰退していた頃でした。
秦良玉は後金侵入を防ぐために戦い、四川での反乱にも加担せず劣勢であるにもかかわらず成都・重慶を陥落させ蜀の土地を賊徒から開放します。
しかし永平の四つの城を奪われると、万暦帝の起こした衰退への波を食い止めようとしていた崇禎帝から呼び出される。
猜疑心が強く臣下を次々と誅殺していた崇禎帝に呼び出されたのは四城を奪われた責任を追求されると思った秦良玉は全ての軍費を将兵に分け与えてから皇帝の下へと向かった。
しかし呼び出しはこれまでの功績を称賛するためのもので、皇帝自ら謁見し恩賞を与えられ、さらに秦良玉を称える詩が贈られた。

その後も賊軍と戦いその勢力を大きく削ぐことに成功する。
しかし秦良玉の生涯における最大の敵であり四川の人口を300万人から1万人まで減らした大量虐殺で有名な「張献忠」が現れると初戦こそ張献忠が負傷するほどの勝利を飾るも、その勢いは次第に増していき止めることができず苦戦します。
皇帝にも称えられたほどの策を持って対処しようとしますが、味方は少数民族であり女性の秦良玉の献策を受け入れてはくれませんでした。
そのころ明の衰退を止めるべく奮闘していた崇禎帝は内乱によって死去、明は滅亡しますが亡命政権である南明に仕えて、忠州で張献忠が清に討たれるまで耐え続け老衰によって死去しました。

FGOでの秦良玉

FGO世界ではそもそも始皇帝が不老不死になり永世統治しているため明が生まれることもなく、詩が禁じられた世界のため詩を贈られることもありませんでした。
そのため異聞帯で登場する際は宝具を使用することはなく、汎人類史側で召喚しない限りは宝具を見ることができません。
一応楊応龍の乱は起きているようなので、秦の内部で賊徒を鎮圧する必要が長い歴史の中で何度かあったようです。

秦良玉の性能

トリッキーな宝具に複合スキルを持つテクニカルなアタッカー。
宝具”祟禎帝四詩歌”は攻撃時・クリティカル攻撃時・被弾時・クリティカル被弾時にそれぞれ特殊な効果が発動する自バフをかけることができ、特に「クリティカル攻撃時に敵の強化状態解除」はかなり強力。
通常攻撃時の「防御力ダウン」もブレブチェインで一気に複数防御ダウンデバフを相手にかけることができ、非常に強い。
しかし常にクリティカルを狙って出せるかと言うとそういうわけでもなく、狙って特定の効果を出すにはそれなりの下準備は必要。

スキル1はQ/A性能アップ&クリティカル威力アップ
スキル2は自身のスター集中(1T)&弱体無効状態・強化解除耐性アップを付与(3回・3T)
スキル3は自身にガッツ付与(2回・3T)&NPを増やす(10~20%)

宝具で付与されるバフが消えると弱いが、強化解除耐性をアップすることができるため弱点は補えています。
2回ガッツも性能が高く、スキルも攻撃用・補助用・NP獲得&ガッツ用と役割がはっきりしているので使い所の見極めは簡単。
問題は1ターンしか持続しないスター集中スキルなので、概念礼装やコマンドコードなどで常時クリティカルの態勢を構築したい。

ということでシンピックアップ1で実装された3騎を簡単に紹介してみました。
大好きな蘭陵王が出てくれて嬉しすぎるのでついついダラダラ書いちゃいましたね…。

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