IFFがオーバーロードしている!
目次
フライトシムよりもシューティングに近いゲーム性
本作は「フライトシム」ではないため、基本的に現実世界の物理法則に縛られない。
ミサイルを100発以上搭載し、空中では極限まで減速してもある程度コントロールを維持できる。
特殊な条件は必要だが機体を突然180度、つまり進行方向と真逆へ振り向かせることすら可能だ。
そういった部分をどう思うかはその人次第だと思うが、私個人の感想としては「でも幸せならOKです!」といったところだ。
本物の戦闘機や航空機の挙動を楽しみたいのであればそれ用に素晴らしいフライトシミュレーターが存在している。
本作はリアルなグラフィックが売りではあるが本質的には『Microsoft Flight Simulator』よりも『ゼビウス』に近いと言ったほうがいいだろう。
現実の制約から解き放たれ「敵を打ち倒す」というゲームの根源的快楽により近い楽しませ方をしている。
ただただ敵を打ち倒すシンプルさにカタルシスを感じる
ミサイルはほぼ打ち放題、マルチロックで多目標同時撃墜可能。
ゲーム中はただただ敵機の位置を探し、ミサイルを放つ。
サーチ&デストロイをただただ積み上げていく。
サーチはゲームが勝手にやってくれるのだから、あとは「目標をセンターに入れてスイッチ」だ。
このシンプルでただただ単純な繰り返しが、不思議なことにとても楽しいのだ。
体感的な部分では無双シリーズのような爽快感が近いかもしれない。
雑兵を薙ぎ払うかのように敵の戦闘機を撃ち落とすのは快感だ。
武将的存在であるエースとの戦いは歯ごたえがある。
近未来兵器も登場するので歯ごたえのある戦闘が楽しめる。
某AC名物「ぐだぐだ巴戦」「奈落へのトンネル」は改善
さてプレイしている人ならお気づきだと思うが、本作は『エースコンバットシリーズ』の熱心なフォロワーとも言うべき作品だ。
もちろん我らがACを超えているとは言い難い。
やはりストーリーやムービーなどの没入感を強める演出や、登場する機体の数などでは大きく水をあけられている。
しかしそこ以外では随所でACには存在しない良さも感じられる。
例えばACでは空中での会敵後に敵味方が入り乱れドッグファイトが始まる。
背後を取り合うために現代の戦闘機が超短距離でグルグル旋回し始めるのだ。
そうなるともはや私程度の腕ではどうしようもないので、グルグル回っているうちにいい感じの敵がいたら撃つという運と気力の勝負になりがちだ。(上手い人は違うだろう)
本作では「迎角リミッター」というチートアイテムが存在する。
強制的に機体の速度を減じることで一気に自機の向きを変更できるため、”狙った敵を倒す”ことが可能になる。
このエッセンスのおかげで私のような素人でも無我夢中で剣を振り回し続けていた戦いから、敵主力や面倒な機体を率先して狙うというエース的な戦い方ができるようになった。
また個人的に嬉しかったのはシナリオ強制トンネルが無く、今の所はトンネルはあっても「チャレンジしたければどうぞ?べつにしなくてもいいけど」という部分だろう。
エースコンバットの過去作はそれなりにプレイしてきたが、子供ながらにトンネルがあまりにも鬼畜すぎて泣いたことがあるほどだ。
ACがリアルとフィクションのバランスを取るために必死に行っている綱引きを事も無げに飛び越えた結果「敵を倒す爽快感」だけが残ったという印象だ。
”初心者にもおすすめ”だが、操作の説明は親切ではない
本作はミサイルの数もとっても多く、機体のHPも多く、フレアは無限に撃てる。
つまりとても初心者向けなのだが、フライトアクションの独特な操作感に関しては親切だとは言い難い。
マイクロソフト Xbox コントローラー Bluetooth/Wireless Adapter for Windows10というゲームパッドで操作していたが、LB/RBとLT/RTの操作を入れ替えないと気持ち悪かった。
つまりヨーの操作と、スロットル操作を入れ替えた……と思う。
スロットルはトリガーで操作するのが標準だと思っていたが『ACE COMBAT™ 7: SKIES UNKNOWN』をプレイしたのは発売直後なのでどっちでやっていたか思い出せない……。
値段はかなり安いのでぜひ入門編としてプレイしてみてほしいが、やっぱりエースコンバットから入ったほうがスムーズに遊べる気も。
操作がわからなくても設定から見れるので、気にしない人はぜひチャレンジしてほしい。
ストーリーモードの他にコンクエストモードというのがあり、そちらはクリア後のチャレンジ要素のようなものだ。
歯ごたえのある戦いをしつつローグライク要素のある戦闘を楽しめる。
VRに関しては未使用のため評価できないが、ACと違いすべての戦闘においてVRモードが使用できる点は素晴らしい。