iOS 9のContentBlockerが意味するもの

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ユーザーは必要に迫られて広告をブロックしているのだ。
次期iPhoneに搭載されると噂のiOS 9ですが、標準ブラウザに広告ブロック機能が搭載されるようです。
これがどれほど素晴らしいことか!
うざったいフローティング追尾型広告にサヨナラできるなら万金の価値ですね。

広告ブロックは過剰な広告にうんざりしていた利用者を救う

巷では概ね好意的に受け止められているiOS 9の広告ブロック機能ですが一部では反対されています。
広告収入を得ているメディア、広告主などですね。
基本的に「広告ブロック反対」なんてユーザーが言うはずないですよ。
もともと問題の根本は「うざったい広告」のせいなんです。
控えめな広告やブログテーマにマッチしてれば気にならないですよね。
それを一部の人達が全画面で表示してみたりピカピカ光らせてみたりトラッキングしてスパイのように広告出してくることがユーザーにとって大きな損失となっていたわけです。

今回リリースされるiOS 9の広告ブロック機能を使用するとCrystal Benchmarkの調査によるとページのロード時間が半分以下になってます。
Crystal Benchmarks
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(出典:Crystal Benchmark)
メディアが収入を得るために設置していた広告のせいでユーザーが2倍以上の不便を被っているというのはどうなんでしょうか。
また通信量もこのような変化が見られました。
ダウンロード
(出典:Crystal Benchmark)
通信量が平均2倍、ページによっては数倍に膨れ上がっています。
元々のコンテンツが文章主体のページに山ほど画像広告をぶち込んでいるのでしょう。
ということは、広告のせいでユーザーの通信費に大きな負担をかけているわけです。
ユーザーが数GBという小さな通信量制限をやりくりしているにも関わらず、見もしない広告に倍以上の通信量をかけさせられているわけです。
これだけ負担かけておいてページのコンテンツにはサーバー容量削減のために画像あんまり使わなかったりして本末転倒ですね…。

広告で利益を得ていた人たちの自業自得と言われても仕方がない

こうなったのは前述のとおり「うざったい広告」を撒き散らしていたメディアやネット系広告代理店や広告制作者の自業自得と言わざるをえないでしょう。
ForbesのRex Santus記者の記事「Ad Blockers Cost Publishers $22 Billion This Year, Report Finds」にあるように現在約3兆円の被害が広告ブロック機能によってもたらされているようです。
とはいえ広告はサービス提供者からしてみれば重要な資金獲得の方法であり、これを否定することはここ10年で生まれた無料サービスの成功を否定することになるでしょう。
私はこのブログ自体には導入していないですが(個別記事のamazon商品の紹介リンクは一応広告ですが)、多くのブロガーは運営資金のほんの少しの助けになればと思って広告を導入しています。
それでもレンタルサーバー代すら稼げない人がほとんどです。
とはいえネット上に溢れる広告にユーザーはうんざりしているということに気づかないで、調子に乗って様々な技術を駆使してユーザーをイライラさせた広告制作者は自らその寿命を縮めたと言えるでしょう。
オーバーレイタイプの広告を考えた人なんて完全にギルティです…。
スマホのボトムにくっついてくるフローティングタイプの奴とかよく触る部分に広告設置したりしてた人には悔い改めて欲しいです…。

結局、広告は広告を考え設置していた人達の手によって衰退させられてしまいました、ということですかね。

反面、広告の必要性が失われてはいけない

広告作成者や利用者、メディアのせいでユーザーはブロックするという選択肢を選びましたが、広告はインターネットサービスを発展させる原動力なんですよね。
雇用の創出や業界の発展、有用なサービスを安価に提供できるなど広告自体は悪いものじゃないんですよ
広告によって安価や無料でサービスを提供するスタイル自体は画期的です。
先程から述べているように過剰でうざい広告のせいですべての広告がブロックされてしまっている現状が非常にマズいわけです。(ですが何度も言いますが自業自得です)
一度拒否反応、ネガティブなイメージが付いてしまえばユーザーは良い広告も悪い広告も全部シャットアウトしてしまうでしょう。
また、ブロックされているからといってそれを回避して広告を無理やり表示したらさらに悪い印象を与えます。
目立たない広告によって細々と運営してきた有料ブログなどもとばっちりを食うわけです。
Chromeなどのブラウザに広告ブロック機能を提供している「Adblock Plus」などはブラックリスト・ホワイトリスト方式なので一定の条件を満たした優良な広告は表示されますが基準が曖昧だし結構難しいようです。
メディアが訴訟などを起こしたようですが敗訴しているようですし広告ブロックの潮流を止めることは出来ないでしょう。
インターネット広告は様々な可能性を秘めていたにも関わらず、一部の過剰な広告によっていつか絶滅させられてしまうのかもしれません。

広告ブロックを批判するのではなく改善するべきでは

一部で問題になったネイティブ広告(コンテンツのように偽装してページ内に配置する広告)を利用したメディアがあるようですがこういった方法で回避しようという考えがどれほどの損失を出したかよく考えて欲しいです。
もし広告が全て控えめでユーザーに極力不利益を被らせないように設計されていればこんな自体にはなっていないのです。
広告ブロックによる3兆円近い「損失」はユーザーの大事な時間や通信料の「損失」に比べてそんなに大きいものでしょうか?
一部の広告は間違いなく良いもので、私もブログなどでテーマにピッタリの広告だったりするとつい押してしまいたまに購入してしまいます。
ウェブ広告業界やメディアは「ブロックを回避する方法」じゃなくて「なんでブロックされてしまったのか」を考えてみたらどうでしょうか。

…ていうか作った本人ですら「これウザいな」って思ってそうですよね。

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