「ネコソギマターバップ」 sasakure.UK

いつか いつか 夢で逢えるのならば

アルバム『摩訶摩謌モノモノシー』からネコソギマターバップがPVとして公開されましたね。
去年の寒い時期に聞いた覚えがあるのであれから1年近くが経過しましたね。
物語の舞台となっている中学生という時代から年々離れていきますが、幼少期の「周りのもの全てが不思議」という感覚、と大人になって「不思議と現実の区別がついた」という状態の中間のような時期はとても面白かったです。
幼少期はサンタを信じていて、大人になると信じなくなるじゃないですか。
大人になった私はサンタを見たら「あー、寒い中大変ですね。ケーキ販売のアルバイトですか?」となってしまう。
でもきっと中学校ぐらいの頃にサンタと出会っていたら「本物かな!?…いやいや、サンタなんていないもん…でも…」って思うんじゃないかなって。
周りの不思議なものに対しての許容力が高かった…?
それでいて大人ぶりたいから背伸びして不思議を強く強く否定する。
なんとなくそういう時期でしたね。

さて前置きが長くなりましたが「摩訶摩訶モノモノシ―」はとある中学校が舞台。
誰でも通った事のある”中学校”に通う様々な生徒たちのお話です。
今回PVとして公開された「ネコソギマターバップ」はアルバムの5曲目になります。
以前PVが公開された「tig-hug」は4曲目ですので他の曲より繋がっているようです。

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PVの冒頭では歩くシルエットの少女と学校の塀のようなものが出てきます。
どうやらこの曲の主人公、ネコマタのサトは街の中で起こる様々なトラブルや出来事に首を突っ込んでいるようです。

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まずは少女が道端でラブレターを渡せずマゴマゴしているとサトは「猫に変身して代わりに渡してあげればいいんじゃないか」と考えます。
ここの「レターオブラブ? 確かに 伝わるパルピテーション? エ・モーション!」の歌詞は本当に飛び抜けてますね。
歌詞では成功したかのように表現されていますがPVでは手紙を奪って男の子に届けてあげようとしたところで飛び出てきた自転車と衝突してしまいます。
特に描写はないのですがケガはしなかったのかな…。

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「退屈なかけ算も平気です」そう言いながらサトはノートをどんどん素敵なものへと変身させていきます。
素敵なナナイロに輝く鳥の置物や地球儀、ハサミやたくさんのエンピツ、一輪挿しなどに変身!
しかし怒られてしまったようです。
「なかなかうまくは行かないさ」
ネコマタであるサトの「楽しいは嬉しいこと、だから楽しければみんな喜ぶよね」という猫らしい素敵で純粋な気持ちも人間の世界では少しうまくいかないみたい。
だからといってめげないのがサトのいいところ。
すぐに気を取り直してトラブルバスターを再開します。

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さて場面は変わって気弱そうなノートを抱えている男の子が他の男子に絡まれているようなシーンになります。
ここはアルバム1曲目の「ア(マ)ヤカシ・ダイアリィ」の主人公の日記を持った男の子(ケイ)でしょうか。
彼の持つ「アヤカシダイアリー」は日常の様々なことをアヤカシの仕業だと空想した日記です。
そこでサトは男の子を助けるために妖怪「ガシャドクロ」へと変身!
見事いじめっ子共は退散しますが、肝心の男の子まで気絶してしまいます。
人助けって難しいですね。
男の子が出てくるときに右側にいたメガネの可愛い女の子はもしかしたら「ポンコツザワールド」の主人公のゲームが得意なバクの女の子かも?。

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砂漠の上に降る雨を見上げるサト。
猫の祖先は砂漠で暮らしていたそうですから、その頃の孤独や苦しみや自由を今も猫たちは覚えているのかもしれません。
その砂漠を潤す雨に傘を指して「なかなかうまくは行かないさ」と呟く。
人間社会にネコマタが溶けこむのは一苦労のようです。

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サビに入ります。
「もっともっと君と笑いたいから」
「本当か偽物か?なんてどうでもいいんさ」
「本物と偽物」は今作のテーマでもあるそうなので重要ですね。
それを見抜く力も重要だし、そんな真贋に振り回されない強さも必要です。
サトの考え方がわかる一文でもあります。
そしてサトが本物なのか、偽物なのかという点にも注目したい部分です。
ネコマタが戸籍持ってて学校に通ってるって普通に考えたらおかしいわけで・・・。
後半の縁側の少女こそがサトなのでは・・・?

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サトが他の女子たちと話していると近くを歩く包帯ぐるぐる巻きの少女「イチジク」が。
サトは「困った人」を探しているのでイチジクを追いかけます。
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しかし道中で尻尾を踏まれてしまいネコ踏んじゃった状態へ!

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お婆さんが風船で飛んでいってしまったのを助けようと奮闘するサトと、それを見守るケイとイチジク。
どうやら仲良くなったのかな?
「気がつけば失敗ばっか もう嫌んなっちゃうけれど」
そんな事を言いつつも「日常に笑顔を」届けようと必死に頑張るサト。
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そして「想像だけでは解決しない」とケイとは違う道を歩んでいるようなサビへ。
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いじめられ涙するケイにアヤカシダイアリィを返してあげます。(取り返してきてくれたのかな?)
余談ですがア(マ)ヤカシ・ダイアリィの落とした時とは別の時だと思うんですよね。じゃないとサト=イチジクになっちゃうし。
ア(マ)ヤカシ・ダイアリィで出てきた日記を拾った女の子は「イチジク」だとちゃんとsasakureさんも明言していますし。

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「いつかいつか夢で 逢えるのならば」
何時の時代か、どこの誰かもわかりませんがサトは誰か恩人がいるようで、彼(彼女)と縁側で過ごす姿が描写されています。
ネコマタは長寿のネコなのでこれが何時の時代かはちょっとわかりませんね。
縁側の人が本物のサトなのではないかと思ってしまいます。

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「今日もまた前を向くよ」
そう言ったサトは残酷な世界にいるイチジクを助けるために、「tig-hug」のアヤカシと戦い傷ついたイチジクの前へと炎を纏い現れます。
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冒頭で手に入れた(!?)ラブレターを武器(柄杓)へと変えアヤカシと対峙するサト。
「君と君の愛する人を大切にね」の手紙にも見えなくも・・・!?
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サトはPVの途中でアヤカシと並んでいたので、ネコマタという性質上アヤカシの側なのでしょう。
それでもイチジクを助け、ケイを助けるために武器を手に大きなアヤカシと対峙します。
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なんとかアヤカシを倒したサトは倒れるイチジクにニッコリと微笑みます。
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そして冒頭と同じ歩くシーンへ。
ですが夕暮れだからなのかサトは真っ黒になっています。
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その後、PVにサトの姿は映りません。
もしかしたらイチジクとケイを助けるためにサトは命を燃やし尽くしてしまったのかな…。
サトの力でイチジクとケイが日常を取り戻せたかはわかりません。
でもPVの説明にあるようにサトは今日もバッテンだらけの答案用紙を武器に不適に笑っているんじゃないかなって思います。

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PVのラストにはトドノツマリさまがアヤカシダイアリーを持って覗いています。
神様ですので、もしかしたらサトを助けてくれたのかも?
サトが報われているといいのですが。

PVで感じた疑問
・ケイの登場シーンで出てきた女の子は誰?
ポンコツザワールドの子かも…?

・アヤカシダイアリィって複数あるの?
ケイが持っているアヤカシダイアリィ、イチジクが拾ったアヤカシダイアリィ、サトが答案用紙を変身させたアヤカシダイアリィ、トドノツマリ様が持つアヤカシダイアリィ。
それらを時系列順に考えると
①ケイが作成
②ア(マ)ヤカシダイアリィで落とす→イチジクが拾う→ケイの手に戻る(恐らく)
③その後何故かケイのアヤカシダイアリィはまた失くなりトドノツマリ様の手に?サトはそれを復元した?(この時点で2冊になったのか?)
というのが筋かな…と。
イチジクとケイがお婆さんを見上げるシーンですでにイチジクはケガをしており、ケイはダイアリィを持っています。
なのでイチジクはケガしている時点でオニ=アヤカシ(妖禍子)と戦ったことがあるはずなので1度失くした後のようにも思えます。
ただ曲順は時系列通りとは限らないので別の解釈としては
①ケイが作成
②ダイアリィを落としてそれをトドノツマリ様が拾う
③イチジクはサトの助力もありアヤカシを倒してトドノツマリ様からダイアリィを取り戻す(ダイアリィがこの現象の根源?)
④ア(マ)ヤカシダイアリィの最後でイチジクがケイに返却する
とするとある程度辻褄が合うようにも思えます。
しかしそうするとイチジクのケガとダイアリィが同時に映るシーンがちょっと難しくなりますね。
ただダイアリィの紛失自体は「今日は日記は書かない」という部分から1日かからずに戻ってきたと考えるべきなので問題ないのかな。
もう一つ気になるシーンとしては「サトがケイにダイアリィを渡している」シーンです。
このダイアリィって場合によっては「新品」の可能性もあるのかなと思いました。
サトがケイにダイアリィを授けた可能性も十分にあるでしょう。
もしそうであれば時系列で言えば一番上で「サトがケイにダイアリィを渡した」というのも考えられます。
サトが作ったのであればあれはただの日記帳ではなく魔法的アイテムになりかねませんし、そうするとアヤカシの出現もダイアリィの力なのかも?
サトは「(希望を)書けば実現するノート」としてケイに渡し、ケイはそれをよく知らずに日記帳として使用した?
もしそうならばサトは楽観的というかみんな幸せになるように祈っている子なのでまさかアヤカシが生み出されるなんて思ってなかったのかも?
すいません、妄想が暴走してしまいました…。

・縁側の少女(少年?)は誰?
以前はイチジクなのかとも思っていたのですが、彼女は恐らく本物のサト。
ネコマタのサトの飼い主で、何らかの理由で今はサトに成り代わっている。
本当か偽物か?なんてなんてどうでもいいんさというセリフは・・・。

・3:44のケイの隣りにいるイチジクじゃない女の子って誰?
これが全くわかりません。
ポンコツザワールドの子なのかもしれないですが、そうすると1:03の子は?
もしかしたら続編に出てくる子かも?


続編「不謌思戯モノユカシー」の発売が決定!
12月2日だそうです。
メッチャ楽しみですが、これでケイとアヤカシ達のお話は終わりとなってしまうようです。
初回限定盤にはアヤカシダイアリィ付いてくるって!予約なう!ポチったぁ!

ちなみにロストピリカも購入済みで聴きまくってます。
めっちゃいいです。
Amazonではかなり入手困難ですね。
sasakureさんも再販できるよう頑張ってくれているようですが、先日の再販分も速攻で消し飛びました…!
どうかチャンスがあったら購入はお早めに!

ネコソギマターバップは重音テトとその”中の人”である小山乃舞世さんの声を使って作られたそうでメッチャ豪華ですね…。
小山乃舞世さんマジですごい人でなんでも出来てほんと素敵です…。
PVもささくれさんの手書きでメッチャいいですね!
「しゅうまつがやってくる!」を思い出します。
ささくれさんの絵って柔らかくて繊細で素敵ですよね。
サトの壁紙がほしい…。