WOT 戦車紹介 No.5 「M3 Lee」

中戦車なのに固定砲塔!?

WOTの戦車に愛着を持つために勉強します!のコーナー、5回目はアメリカ中戦車の悪名高い「M3 Lee」について勉強してみました。

このM3 Leeからツリーが重戦車と中戦車に枝分かれするのに何故か固定砲ということから非常に評判の悪い戦車ですが、実はけっこう強戦車だと思うんです。
駆逐戦車が好きなのもあるのですが、食わず嫌いしないでぜひ乗ってみてくださいね!

アメリカ戦車開発史のターニングポイント

このM3Lee、先日ご紹介したM2中戦車の後継機なんですね。
1940年に入り、ドイツの戦車はとてつもない速度で進化しておりM2中戦車の量産が決定した頃すでにM2中戦車では火力装甲両面で敵戦車に対処できない状況になっていました。
大口径砲を搭載したドイツ軍戦車は瞬く間にフランスを占領してしまい、まさにドイツタンクショック状態だったそうです。
ドイツ主力のⅣ号戦車が搭載する75mm砲の存在を知り、せめて75mm砲が搭載できる戦車でないと太刀打ち出来ないと思い知らされてしまったんですね。
しかしこれからの戦車には75mm砲が必要だと知りつつも戦車の開発が遅れていたアメリカは、生産を開始したM2中戦車に75mm砲を載せることもできず、仕方がなく新しい戦車を開発することになります。
この時点で残念ながらM2中戦車は生産中止となってしまいました…。

さて、新型戦車の開発を行う中でアメリカは「75mm砲を搭載できる回転砲塔を開発するノウハウが無い」ことに気づいたのです。
仕方なく苦肉の策で「回転砲塔を使わないで車体に砲を固定しちゃえばいいじゃん!というとんでもない発想のもと、車両に据え付けることを決定します。
しかも車体上部でも、中央でもなく車体右側に固定し、一応回転砲塔の37mmも搭載、その上に機銃もつけちゃいました。

shot_035BB

急場しのぎなのにしっかり活躍した頼もしいリー!

さて、そんなこんなで完全にその場しのぎで作られたM3Leeですが、急造されたにしては性能もよく戦場で活躍しました。
ドイツのⅣ号戦車のように回転砲塔は無かったものの、生産量はとんでもなく多くたったの一年半で6258輌も生産されました。
この製造スピードが鍵となり、ドイツの北アフリカ戦線でM3Leeは大活躍するのです。
小口径の徹甲弾しか撃てなかったイギリス軍にとって、アメリカから供与された大口径榴弾を撃てるM3Leeはまさに戦場の救世主でした。
7人というとんでもなく多い人数で運用する戦車ですが、車体が大きいため居住スペースが広くとってあり、乗り心地が良かったようです。
まぁ背が高く、弱点も多かったためソ連では「棺桶」と呼ばれてたそうですが…。

shot_064

アメリカ戦車の血を受け継いだ弟達

その場しのぎで作られたM3Leeですが、「アメリカが無理せず作った現実的な戦車」だったため壊れにくく色々な改造が施されて終戦まで活躍したそうです!Leeすごいです!

たった2年ちょっとでしたが、M3Leeの役割は非常に大きかったのです。
苦戦するイギリスやソ連に戦車を供与できたこと、M4中戦車の登場まで繋ぎというには十分すぎる活躍をしたこと、M3Leeを作った時のノウハウやシャーシなどを活かして作ることができたM4中戦車!
M3Leeは様々な意味でアメリカ戦車開発に大きく貢献したのです!

とはいえ、本家のアメリカが対ドイツ戦で運用したらボコボコにされてしまいました…。
やっぱりドイツの戦車は質的に優れており、戦車運用・戦術面では一枚も二枚も上手だったんですね。

shot_2101

WOTでは苦行戦車リー先生として活躍

さて、WOTでは人によって意見の分かれる難しい戦車です。
M4中戦車を目指す人にとっては、回転砲塔がない中戦車という特殊な戦車であることから戸惑う人も多いようです。
しかし、右側に砲があることや背の高さを気をつければ意外と良い働きをしてくれます。
もちろん「この戦車めっちゃ強いよ!」とは言えませんが、デメリットの部分を理解すると強くなれる戦車だと思います。
DPMもいいですし、装甲もダメでは無いですよ。
逆にTD(駆逐戦車)を好んで使う人なら苦行にならないと思います。
とはいえTDよりも低火力・低装甲なので機動力も活かしてみるといいと思います。
意外と機動性は良好なので、足でかき回すほどにはなりませんが移動を多用してみるといいと思います。

基本的には「高火力(高DPM)」「高機動」「ちょっぴり硬めの装甲」を持った”おもしろ駆逐戦車”ってかんじです。
多少の無理にも耐えてくれますので、味方と一緒に一気にキャプチャしに行くのもいいかもしれません。
あとこれは個人的な感想なのですが、敵が「コイツを撃ってる暇はない」と思うような戦いを心がけると良いと思います。
具体的には重戦車などの強力な戦車のそばにくっついて行って重戦車が注目を集めているあいだに敵戦車を撃つような感じです。(コバンザメ戦法!)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加