WOT 戦車紹介 No.6 「BTシリーズ」

タイヤで走る戦車。

WOTの戦車に愛着を持つために勉強します!のコーナー、6回目はソ連BTシリーズについて勉強してみます。
ガールズ&パンツァー劇場版のおかげでにわかに人気が出てきたBTシリーズ!
「ほんとに履帯なくて走れるの?」とか気になります。

BTシリーズはソ連の快速戦車シリーズ

BT(Быстроходные танки)とは快速戦車の意味。
このBTの名を冠した戦車のシリーズが「BTシリーズ」です。
BTシリーズの特徴といえば「クリスティ式」!
アメリカに住んでいたクリスティ博士が考案した戦車の足回りの機構のことで、大型転輪とコイルスプリングを組み合わせたものです。
それまでのリーフスプリング(板バネ)方式に比べてとても先進的でした。
また、大型転輪をタイヤ代わりにして履帯を外して走行できました。
特徴的なのはその速度、クリスティ博士の製作したM1928試作車はなんと装輪走行時で110km/h近い速度が出たとか!
これほどスピードの速い戦車があれば戦術的に大きな価値があると考えたソ連はこのクリスティ式の戦車で「快速戦車」を作りました。
それがBTシリーズなんだそうです。

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(まるでタイヤのように大きな転輪と巻きつけられたゴムがクリスティ式の特徴だそうです)

BTシリーズ初の量産戦車BT-2

アメリカから輸入したクリスティ博士のM1930戦車をBT-1としたソ連はさっそくこれをベースに戦車を作りました。
優れた足回りをさらに強固にし、37mm砲および回転砲塔を搭載しました。
元々ドイツが開発した(Ⅲ号初期型と同じ)37mm砲をソ連でも生産していたのですが、新型の45mmの生産にシフトしたこともあり37mmの供給が追いつかず結局180輌に搭載され、残りは車体だけになってしまいました。
困ったソ連はとりあえずDA-2連装機関砲を搭載した対戦車能力のない歩兵支援用車両として440輌を生産したそうです。
エンジン出力が高くスピードは出ましたが、残念ながら装甲は薄く対戦車戦闘が可能な水準ではありませんでした。
対フィンランド戦である冬戦争では悪路に苦戦し大きな損害を出しました。
ですがちゃんとクリスティ式の長所のひとつでもある装輪走行が可能で、舗装路であれば72km/hという驚異的な速度を記録しています。

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WOTではTier2軽戦車として登場します。

BT-2の改良版BT-5!

BT-2で手応えを感じたソ連は火力や走行の強化を施したBT-5を開発しました。
まずは火力を強化するために45mm砲を搭載し、それまで肩付けで砲手が人力で旋回していた砲塔を旋回ハンドルで回転できるようにしました。
衝撃でひび割れていた装甲を材質の良い物に変更。
また、砲を大きくしたことから砲塔を大型化しました。
このように改善された砲塔はT-26戦車と共用でした。
優れた戦車だったのですが、装甲の薄さや乗員の練度の低さ、指揮官の能力不足などからあまり活躍できなかったそうです。

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WOTではTier2軽戦車BT-2として登場。砲塔と砲を上位版にアップグレードすることでほぼBT-5に近い状態にできます。

大量生産されたBTシリーズの優等生BT-7

大きく変わったのは「車体が溶接」になったことです。
これまでのBTシリーズではリベット接合(装甲の継ぎ目を留めていたピンのようなもの)でした。
しかしこのリベット、被弾した際の衝撃で金具が戦車内部に飛び散り乗員が負傷する事故が頻発していました。
これを改善するためにBT-7では溶接で装甲をつなぎ、装甲厚も前面13mmから15mmへと強化されました。
また当初は76.2mm砲を搭載し火力面でも強化する予定でしたが残念ながらこれは採用されませんでした。
後期型では火災の相次いだガソリンエンジンからディーゼルエンジンへと変更されています。
このように様々な改良を行ったBT-7ですがドイツ戦車と正面から戦えるようなシロモノではなく、圧倒的に劣っているフィンランドとの戦いでも多大な損害を出してしまいました。
BT-7を最後にBTシリーズは量産されませんでしたが、このBTで得た経験や知識は後に傑作戦車として名高いT-34へと受け継がれていきました。
そのためT-34もクリスティ式なんです。
ですが、履帯を外し装輪走行ができたのはBTシリーズまでで、T-34ではこの機能は省略されてしまいました。

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WOTではTier3軽戦車として登場します。

BT-7に大口径榴弾砲を搭載したBT-7A

装甲が薄く対戦車砲の攻撃に悩まされていたBT-7を救うためにBT-7に大口径榴弾砲を搭載し陣地攻撃や拠点攻撃を行えるようにしたバリエーションです。
自走砲のような存在でしたがWOTでは大口径砲を装備した軽戦車として登場します。

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ガールズ&パンツァーの継続高校のスキンでなんちゃってBT-42化!

劇場版で大活躍した継続高校のBT-42、残念ながらWOTではフィンランド戦車は実装されてないので乗ることができません。
でも・・・なんとか乗りたいなと思って探していたらなんとsaku karaさんという方がスキンを配布してくださっていました!
本当にありがとうございます!
今回はsaku karaさん作成の継続高校スキンを装備したBT-7Aで戦場へ行ってきました!

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凄い再現度ですね!
砲塔こそ似てはいても別物ですが、車体は完璧にBT-42ですね!

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Tulta!
76.2mmなのでBT-42の114mmと比べると小口径ながら迫力は近いですね!

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足が速いけど紙装甲、火力は凄まじいけど砲精度は悪い。
このピーキーな感じがカッコイイですね!

BTシリーズはソ連らしい不思議な戦車ですが足が速くて乗っていて楽しいですね!

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