[ショートレビュー] オークと殴り合って友情を育め!『Middle-earth™: Shadow of War™』で異種間の壁を超えた友を探そう。

オーク…おまえの兄貴を殺したのは俺だ…!それでも俺を友だと言ってくれるのか!?

オークとメイク・ラブなゲームをプレイ中のALVAです、こんばんは!
先日のSteamサマーセールで購入した『Middle-earth™: Shadow of War™』を最近はずっとプレイしています。
このゲームはあの名作『指輪物語』を舞台としたアクションRPGで、ステルスと爽快なアクション、そして膨大なオークとの関係性を演出するネメシスシステムが売りのゲームです。

ゲーム名 『Middle-earth™: Shadow of War™』
プラットフォーム PC (Steam)/PS4/Xbox One
プライス ¥ 7,884(Standard Edition)
プレイ人数 1人
オンライン あり(協力・マルチプレイは無し)
日本語対応 公式対応(違和感のない素晴らしい翻訳)

httpss://store.steampowered.com/app/356190/Middleearth_Shadow_of_War/

とりあえず前提!

(長くて面倒な人は「なんか復讐のために幽霊と指輪の力を借りたおじさんの冒険と思うといいかもしれません)

本作は映画版の指輪物語の時系列の空白を埋める形の作品で、『The Hobbit』~『The Lord of The Rings』までの期間に起きた出来事をゲームとして描いています。

よくわからない(主に私)のために超絶テキトーに言うと・・・(たぶん間違ってます)
『The Hobbit』
なぞなぞ勝負で指輪を手に入れたホビット(ビルボ)は冒険の末、なんか色々あって人間・エルフ・ドワーフと共に悪の親玉・冥王サウロン率いるオーク軍との決戦に勝利してサウロンを退け世界を平和にする。

『The Lord of The Rings』
マジかよ…前作でホビット(ビルボ)が手に入れた指輪はサウロンめっちゃ大事な指輪だっったらしいぞ。
ビルボの養子に預けるから、前作にも出てた魔法使いと一緒に唯一廃棄できる遠くの火口へ捨ててきてよ。

前作である『Middle-earth™: Shadow of Mordor™』では『指輪物語』において悪の親玉として描かれるサウロンの配下によって妻と息子を殺された主人公であるタリオンはエルフの亡霊ケレブリンボールさんと復讐のためサウロンとその配下との戦いを開始します。

正直、指輪物語も読みましたし映画も観てるのですが前作プレイしてないしストーリーはかなりあやふやです。
色々間違っていると思います、ごめんなさい。

あらすじ

本作の主人公・タリオンと憑依しているケレブリンボールさん。
このゲームはこの二人の視点で描かれ、冥王・サウロンそしてその配下の暗黒軍(オーク)によって支配されつつある中つ国が舞台となります。

サウロンの帰還によって本格的に大軍勢が集結しつつあることを察したケレブリンボールは新たな指輪を作成し対抗することにします。

そのころ人類の対サウロンの最前線であるミナス・イシルにはサウロン率いる暗黒軍の大規模な軍勢が迫っていました。
タリオンは黒い波に飲み込まれようとしている人々を救けるために街へと向かいます。

ゲームシステムの面白さ

本作の序盤ではとにかく「オークをぶっ◯しまくる」ことが目的となります。
ちぎっては投げ、ちぎっては投げ…。
単調なゲームだなあと思っていましたが、それこそがこのゲームの最高の醍醐味でした。

オークにもストーリーがある

「ネメシスシステム」と呼ばれる本シリーズ独特のシステムは戦い倒し忘れられるだけのNPCであるオークの存在、そしてプレイヤーの死亡(ゲームオーバー)に大きな意味をもたせることに成功しました。

オークはそれぞれ「小隊長」と呼ばれるユニークNPCが多数存在しています。(倒しても新しい小隊長が補充されます)
彼らはそれぞれにストーリーがあり、時に一瞬で退場し、時に何度も主人公と出会います。

ロンクの復讐劇

彼は”ウジ虫の巣”という絶対に嫌な二つ名を持つロンクというオーク。
見た目からして最悪なのでいつもどおりぶった切りました。

マウスを持つ手に主人公によって振るわれる無慈悲な剣の感触を感じるほどに「相手の死」を確信しました。
倒れたむごたらしい姿のオークはその時点でゲーム内の価値観として「経験値を吸われた無利益なもの=ゴミ」となったのです。
私は彼の死になんの感情も感じることなく、次のオークを倒しに行きました。

黙々とプレイしていると今度は先程のオーク「ロンク」の兄弟を名乗る「シャカア」というオークが現れました。兄弟の復讐だと言うのです。
もう忘れていた30分前に倒したオークをぼんやり思い出します。
私にとっては経験値を貰い終わった時点でソレはなんの意味もないデータとして二度と目の前に現れないはずだったのに、こうして憎悪を孕んだ眼で私を睨みつける肉親を殺されたオークが目の前に立っています。

そして私は死闘の末に彼も倒してしまいました。
しかしゲーム序盤に感じた「経験値を吐き出すだけのデータ」だったNPCがまるで本当に生きているように感じられました。
彼らにも家族がいて、兄弟がいるのだと。
「……やっと終わった。」
復讐をされる対象となっていた現実に若干の恐怖を感じながら歩を進めます。
恨むなら恨むがいいさ。これでもうお前らに会うこともないのだから。

しかし現実はそんな私をまた地獄へと突き落とします。
殺したはずのロンクが目の前に現れたのです。
もとから酷かった体はところどころ金属のプレートによって補強されています。
「死んだはず…!」
そんなテンプレートな独り言が自然と口から出てしまいます。

もはや勇者のような振る舞いも何もありません。
無我夢中で剣を振り回し同じ相手を二度殺す悪夢をマウス越しにその手に感じながらなんとか死闘を生き抜くことができました。
その場を早足に立ち去り、全てを忘れようと決め込みます。
しかし悪夢はそんな簡単には終わりませんでした。

そう、彼はまた死の淵から生還したのです。
そしてそんな彼の登場を心待ちにしている自分がいました。
顔を金属のプレートでぐるぐる巻きにしても私に執着して現れる彼にもはや恐怖よりも興奮を覚えているのです。
私に殺され、そして死んだと思って復讐に来た兄弟を殺され、死の淵から蘇ってまた私に挑み殺され、そしてまた現れた。
こんなカタルシスを感じられる体験が他にあるでしょうか。

強くなった私は歓喜の表情で握りしめた剣を振るい彼をズタズタに切り裂いて、この復讐の連鎖に終止符を打ったのでした。
しかし彼はもしかしたらまだ生きてじっと暗闇に身を潜めて私に隙が生じるのを待っているのかもしれないのです。

と、そんなサイコな感情はありませんがこのようにオークそれぞれにストーリーが発生するのがネメシスシステムの醍醐味のひとつです。
倒したはずの相手が復活して復讐に来るというのは何かライバルみたいで嬉しくなっちゃいますね。
倒したらそのまま退場というオークが多いのですが5%ぐらいの確率で復活して登場しているような気がします。

~タリオンを倒した漢~ シャグの立身出世伝


あ、どうもシャグです。オークです。
先日たまたまフラフラとミナス・イシルの街なかをぶらついてたんすよ。
俺ってオークの中でも下っ端で、もう明日の食い扶持にも困ってて…。
プレイヤーにとっては俺は名前もない”オークA”とか”オークB”なんです。
三國無双とかで一撃でふっ飛ばされてる雑兵居るじゃないっすか、あれっすね。
んで、散歩中にふと見たら仲間のオーク小隊長が襲われてたんすよ。
いてもたってもいられなくて、故郷のおふくろが買ってくれた手斧で後ろからサクッと攻撃してみたらそいつ倒れちゃって。
そしたらなんか仲間がすげえ大喜びしてんすよ!相手の血飛沫とか浴びちゃって、はやくお風呂入りたかったんすけど小隊長とかになんかすげえ褒められて……気がついたらなんかセレモニー?始まっちゃって。
後で知ったんだけど、そいつ冥王様のライバル?みたいなヤツだったらしくて、出世決定!

兜はもらえるし、おふくろから貰った斧にちなんで「血の斧」なんて二つ名までもらっちゃって、小隊長になれたんすよ!
すごくないっすか?あ、もう敬語やめてもいいっすよね?これからは威厳ある感じでいきたいんで!


レベルも15レベルになり、部下もできた!

それで順風満帆な生活を送っていたある日、殺したはずのアイツがリベンジマッチに来やがった!
俺様はシャグ!血の斧だ!
もちろん受けて立つぞ!うおおおおおおおおお!

…まあ、そうなるっすよね。
だって俺、普通のオークっすもん。
つーかあいつズルいんだよ……生き返るとか反則だろ。
んでまあ死ぬかと思ったんすけど、これがね俺のすげえとこで持ち前の生命力で息吹き返しちゃって。
負けたから罰喰らうかと思ったら「アイツと二度も戦って1勝1敗でしかも生きてるってすごくね?」ってなって、もっと慕われるようになったんすよ!
あ、敬語やめていいっすよね?

俺がアイツの前に現れるとヤツは驚いてやがるから言ってやったんだ!
「血の斧がお前の血を吸いたがってる」ってなあ!

俺は勇敢に戦った!
アイツはなんか味方の兵士とか呼び寄せやがって、大人数だったが俺は正々堂々戦った!
死にかけても立ち上がったんだ!
そして最後の一撃を―――!

喰らっちゃったんだよねぇ……。
なーんであれ避けれないかなあ。
まあ、コツわかったんで死ななかったんすけど。
死んだふり?ってやつ。頭いいんだよ、おれ。
なんか2回とも明るかったし、次はね夜襲キメようと思ったんだよね。

俺は夜襲を成功させた!
今度こそアイツは右往左往してたさ!俺の斧は着実に相手の体力を削っていた!

戦況は互角以上!相手の攻撃を上回る攻撃を相手に与えてたのさ!
そして次の瞬間、アイツは俺の前で膝を着きやがった!
俺は斧を振り下ろした!勝利を確信してな!

…………え?
はあ?マジなんなのこのモブ顔!
いや、これ途中で手出しとかしちゃいけない雰囲気なのわかるだろ!?
明智光秀並にタイミング悪いよお前!

はああああああああ!?
はぁ……逆転だよ、これで!
勝てそうだったのに!ひどすぎるわ…。
まあラッキーで小隊長になったからそのツケが回ってきたのかもな。
今回も死んだふりでやり過ごして、俺はおふくろのところに帰ることにしたよ。
おいしい野菜を作ったりしてるからさ……もしよかったらタリオン、お前も遊びに来てくれよな。
~お前の最高のライバルシャグ様より~

茶番ですいません。笑
ということで序盤に出会った二人の個性的なオークの話を書いてみました。
一人目は何度殺しても復活してきた”ロンク”、そして個人的に一番熱い戦いを繰り広げた”シャグ”
シャグは正直かなり大好きで、最序盤で一番最初に殺されたのがシャグになんです。
そのシャグが出世して、戦ってお互いにレベルが上って。
最後は逆にHPをゼロにされて負けを確信したのですが、ランダムイベント発生で友軍兵士の援護によって生き残ってしまいました。

このようにオークそれぞれには複雑な主人公との関係が発生します。
殺した相手が復活したり、殺された相手が出世したり。
時には奇襲、強敵との戦闘中に割り込んできたりなどとてもドラマティックな演出がゲームの本筋とは関係ないところで起こるのです。
そして、幾度も戦った敵の落とした武器にはその名前が刻まれていたりして、ずっとそばにいるような感じになるのです。

そしてゲームが2章に突入するとなんとオークを仲間にできるようになります。
あの戦うだけしか選択肢のなかったオークがすっかり従順になって頼れる部下となるのです。
しかし突如裏切ったり、兄弟を殺されると反旗を翻したりとそういう人間臭さもあってすごい面白いシステムです。

(仲間になったオークの勇者・クルウク。なんかかわいい。)

オークを仲間にするのが楽しすぎてまだ2章で止まっていますので「ショートレビュー」にしました。
いずれちゃんとしたレビューも書きたいし、色々なオークとの思い出も書きたいのでもし機会があったらまたお会いできると嬉しいです!

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