男は危ないぐらいがちょうどいい『Blitz』

海外版バイオレンス「こちら葛飾区亀有公園前派出所」!


「あらすじ」
ロンドン市警の刑事であるブラントは犯罪者には容赦なく時にはやりすぎてしまうことすらある危険な匂いのする男だが、その正義感は誰よりも強い。
3人組の危険な若者をボッコボコにしたことで世間からバッシングを受けるブラントだったが、警官連続殺人事件が発生したことで現場に復帰させられる。
ブラントの上司となった新任警部ナッシュは男らしさとは縁遠い人物で理知的に犯人を追うが、ブラントは野生の勘と暴力的な手段で犯人を追う。
全く違う方向性のふたりが化学変化を起こし連続殺人犯「Blitz」の逮捕を目指す。

公開は2011年。
監督はエリオット・レスター。

主人公は刑事のトム・ブラント(Jason Statham)とポーター・ナッシュ(Paddy Considine)のふたり。
ブラントは凶暴で直感的、ナッシュは穏和で理知的。
そんなふたりがバディを組めば向かう所敵なしだよね!
というベターな設定。

敵は姿の見えない犯罪者…というわけでもなく、むしろスキだらけで場当たり的な感じ。
ですが緻密でないぶんアドリブが効くタイプで本能のままに殺人事件を起こしているので、警官しか殺さないと言いつつも邪魔するやつは片っ端から殺していきます。

警察署から出るシーンでふたりは階段を完全に降りきってるのに、次のカットでは階段をまだ降りてたりと編集はちょっと粗いところも?

とにかくジェイソン・ステイサムが最高すぎて終始楽しい映画です。
バーテンダーとのやり取り、駐車場の監視員のドーナツをかじって食いかけを投げ「あと食べていいぞ」とか。それ食べまーす!!!ψ(`∇´)ψ
コンピューターを指さして「これ使えるか?」と婦警さんに聞いて「石器時代の人?」って言われたり。

ナッシュ役のパディ・コンシダインも素敵すぎました。
警官殺しに襲われた女性と飲んでいた男に玄関まで送らなかったことを責めるシーンはナッシュが珍しく熱くなっていてかっこよかったです。
正反対のふたりと言いましたが、実は根っこは同じでアプローチが違うだけなんですよね。

アメリカ風のバッカンバッカン撃ち合うような感じじゃないですが、ブラントとナッシュの掛け合いやブラントの振る舞いが面白く夢中で観てしまいました。

「まとめ」
・すご悪おじさんのジェイソン・ステイサムが見れる!
・ちょっと珍しい(たぶん)イギリス刑事映画
・勧善懲悪モノ
・渋いおじさんバディ刑事モノ
・昔の刑事映画が好きな人にピッタリ!
・イギリスコメディ感

さらにネタバレ

終わり方が衝撃的な作品でした。
犯人を捕まえるも、あれだけ公衆の面前でぶっ殺しまくってるのに証拠がない。
殺害予告から犯人判明が一瞬なのにとにかく捕まえられない。
釈放するも、泳がせて捕まえるのかと思いきや最後はまさかの処刑スタイル。
新聞記者に好きな数字(二択)を選ばせた犯人は少ない数だったらどうしたのか。
途中の黒人女性警官のストーリーまるごと無くても成立する?
ステイサム主演映画はいいのもあれば微妙なのもあるけど、これはたぶんちょっと微妙よりかなという感じ。

ただこういうアクション系は大雑把な方が面白いですよね!

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