PS4『新サクラ大戦』発表にみる小さな期待と大きな(SEGAへの)不安

嬉しい!……反面怖さもめっちゃ感じる。


以前から何度か記事(※)にしたとおり『サクラ大戦』シリーズ。

セガの伝説的シリーズ『サクラ大戦』の新作プロジェクト始動!?
セガの伝説的シリーズ『サクラ大戦』の新作プロジェクト始動!?
どうせスマホゲーム…え?違うの?

その最新作の情報が公開されました。

新サクラ大戦(PlayStation®4専用ソフトウェア)
「太正桜に浪漫の嵐」 好評発売中の『新サクラ大戦』(PlayStation®4用ソフトウェア)公式サイトです。

新サクラ大戦、嬉しい反面色々と怖い気もするのでちょっと書いてみました。
過去作の軽いネタバレもありますのでお気をつけて。

サクラ大戦って何?

SEGA THE BEST サクラ大戦1&2 - PSP

サクラ大戦とは太正時代(誤字ではなく太正時代)を舞台に秘密部隊「帝国華撃団」が帝都の平和を乱す悪を討つドラマチックアドベンチャー。
ナンバリングタイトルの1~2はセガサターン、3~4はドリームキャスト、5はPS2でリリースされました。

しかしその後は大きく広がったプロジェクトもどんどん縮小していきます。
サクラ大戦シリーズは2005年を最後にごく一部を除いて完全に消滅しました。
いろいろな理由はあるかと思いますが、セガのハード事業の没落と共に沈んでいってしまったのです。

その伝説的なシリーズである「サクラ大戦」の最新作がなんと2019年の冬に発売するという情報が発表されました。

子供の頃におじさんから貰った使わなくなったセガサターンとドリームキャスト。
そこからサクラ大戦で楽しく遊んだ筆者として新作の発表はとてつもなく嬉しいのですが、一抹の不安も覚えるのです。

華撃団が失われて10年!?運動会開催!?

サクラ大戦はシリーズごとに1年が経過していきます(例外あり)
・サクラ大戦1:太正十二年(1923)
・サクラ大戦2:太正十四年(1925)
・サクラ大戦3:太正十五年(1926)
・サクラ大戦4:太正十六年(1927)
・サクラ大戦Ⅴ:太正十七年(1928)

そして最新作は「華撃団が失われてから10年後」となっており太正二十九年(1940?)となっているようです。
(ここでいう太正とは架空の年号で実際の大正と違い長く続いています)

そもそも帝都を舞台にしたナンバリングタイトルの最後は4。
4はシリーズの集大成とも言うべき作品で、米田支配人の意志を継いで主人公である大神一郎が華撃団の司令兼隊長として帝都の平和を守るという方向性で決着します。
涙無しには見れない最後の米田支配人が桜の木の下で「サクラ大戦かぁ…。」と独白をしているシーンは人生のベストシーンのひとつです。

さて、ここで不思議に思うのが華撃団が失われてから10年後が太正二十九年だということ。
ということは華撃団が失われたのは太正十九年だとわかります。
あの大神の帝都を守るという決意が4のたった3年後に消滅してるじゃねえか!ということ。
サクラ大戦Vの2年後、君あるがための1年後ですからね……。

そして今作の設定にはこんなものがあります。

新たな舞台は『サクラ大戦V ~さらば愛しき人よ~』より12年後の帝都・東京。10年前の“降魔大戦”によりかつての帝都、巴里、紐育の華撃団は消滅したが、世界各都市には新たな華撃団が誕生し、それらによる競技会“世界華撃団大戦”が開催されるまでになっていた。

ということでね、1~5までの積み重ねが消滅してるんですよね。
あっさりナンバリングで積み重ねてきた帝国華撃団も巴里華撃団も紐育華撃団もこの一行で全滅。

降魔大戦で世界中がやばいことになったけど華撃団がすべての力でなんとか封じ込めて、代償に霊力を失ったとかそんなんじゃ……?
ならむしろそこゲーム化してほしい……。

それで世界各都市に新たな華撃団が誕生して、競技会を開いてる!
「世界華撃団大戦」っていうそうです。運動会かな?

オリンピックが近いからってことなんでしょうかね……。

要するにいままでの積み重ねを白紙にしたい?

今回脚本があかほりさとるさんじゃないので、一回白紙にしたい気持はよく分かるんですけど……。広井さんも関わってるんだか関わってないんだかって感じですし。
例えばプリキュアってあんまり観たこと無いんですけど、あれって新シリーズが始まる時に「前シリーズのプリキュアは全滅した!新しいプリキュアの登場だ!」ってやるんですか?
戦隊モノも「ニンニンジャーが全滅したのでジュウオウジャーのスタートです」ってなりませんよね?
要するに前作へのリスペクトがある上で別の軸で話を進めてるわけですが、新サクラ大戦では前作は「消滅した」って言い切っちゃってるわけですよ。

これから「サクラ大戦1からプレイしてみよう」って思った人は「うわーこうやって世界を救ったんだ!でも数年後には消滅するんでしょ?」っていう前提でプレイしなきゃいけないわけじゃないですか。

もうちょっと濁すとか、あえて発表しなきゃいいことをわざわざほぼ初めての情報公開でいきなり公開したってことは「これまでのことは全部消滅!こっから新しいの始まるから!」っていうのを強く印象づけたいわけですよね?
ナンバリングのバトンは受け取る気はないですよってこと。
一回白紙にすればやりたい放題ですし、設定の洗い直しがたいして必要ないから楽なんでしょう。

たとえば現在放送中の『けものフレンズ2』。
監督解任など色々な問題があって、結局シリーズ1作目の『けものフレンズ』のストーリーの続きではなく、主人公も変えて1作目を白紙にしたような状態で進んでいます。
これがどんな評価になっているかは敢えて言いませんが、ちゃんと前作をリスペクトしていない作品はどうしても厳しい状態になりがちですが大丈夫でしょうか……。

制作側の立場なら14年も放置したプロジェクトの新作なんてそりゃキツいですよ……。
ましてや4は突貫工事、DSの君あるがためはやっつけ工事。
なのに年表にはしっかり入っちゃうし、キャラの年齢も問題。
いまさら倫敦華撃団だの伯林華撃団だの出しても新規さんには「は?」って感じになっちゃうでしょうし。

キャラデザインは久保帯人さん

めっちゃ好きですので嬉しいですね。
合うか合わないかで言えば大神さんより主人公の目付きが悪いってぐらいで合いそうです。笑
イケメンですし!

ただちょっとヒロインの名前「天宮さくら」って「神宮寺さくら」さんと4文字かぶりなんですけど……。
せめてそこは名前は違うけどさくらをリスペクトしてるって方向でやってほしかった気も……。「さくらくん!」「「はい!」」みたいな感じになっちゃうし。

それとヒロインのカラーリング見てると既視感ありませんか……?

アイちゃん……。
これ目の色、リボンの色、服の色、前髪の感じ(左右逆)とかバッチリ似てるんですよね。
髪の色もかなり近いような……?
私だけかと思ったんですけど、Twitterでもかなり言われてるんですよ……。
でもこのカラーリングいいですよね。好きな配色です。うん。

本心ではマジで応援したい

厳しいことを書いてきちゃいましたが心から良作であってほしいと願っています。本気です。
久保帯人先生のキャラデザは嬉しいですし。
でも恋愛シミュレーションよりはヴァルキュリアシリーズの方向性であってほしいと思っています。
ヴァルキュリア4も良かったですし、SEGAが一時期の勢いを取り戻す一歩目を応援したい気持ちでいっぱいです。
ですがだからこそ前作の扱いは雑にしないでほしいとも思います。
ゲームをプレイすれば納得できるかもしれませんし、最新情報をこれからも追っていきたいと思います。

個人的なカンなのですがじつは結構良作になりそうかもと思ってもいます。
なんかPVとかも面白そうなんですよね。
戦闘がサクラシリーズの系譜を受け継ぐヴァルキュリアのシステムを逆輸入的に使えていればかなり面白くなりそうなんですよね。

ほんと期待してます!

再び吹き荒れる―― 太正桜に浪漫の嵐

  • このエントリーをはてなブックマークに追加