[Fate] 『ロード・エルメロイII世の事件簿 10 「case.冠位決議(下)」』購入&読了しました!

”本当に、ボクは、お前の……………”

ロード・エルメロイII世の事件簿 10 「case.冠位決議(下)」 (TYPE-MOON BOOKS)

正座待機してKindle版を購入したALVAです、こんばんは。
ついに、ついに腕前だけは二流の魔術師であるロード・エルメロイ二世が魔術の総本山である時計塔に渦巻く権謀術数の舞台・冠位決議へ。

最終巻ということもあり1ページずつ大事に大事に読もうとする私と、先が知りたくて目をぐるぐると動かしながら1ページ読み終わるたびに画面を猛烈にタップする私とが殴り合いの戦いを繰り広げてしまう作品でした。

実は1年半ほど待ちに待った最終巻でした。
というのも私はとても個人的な理由で「物語はまとめて読みたい」と思っていたためロード・エルメロイ二世の事件簿も必ず上・下巻をまとめて読んでいました。

発売されて、即購入して、しかし読まずに待つというのはある種苦行的でしたが、あのワクワクを抱えたまま半年を過ごすよりも幾分かマシだったと思うのです。
フライングして読んでも地獄。
皆がスタートしているのに待つのも地獄。
それほど楽しい作品でした。

最終巻は上・中・下だったため昨年末に不意打ち気味に中巻が出た際に私は正気を失いそうになっていましたが、急いで5月に下巻を出してくださったことをとにかく感謝したいと思います。
あれほどの密度の内容をたった1年半ほど待つだけで読むことができたのは、むしろ読者にとっては幸運でした。

内容に関しては詳しくは書きませんが型月をよく知る人にとっては夢の続きを見ることができ、FGOや本作が初めての新規の人にとっては魔術協会と魔術師たちという美しく魅力的な舞台を楽しめるのではないでしょうか。

本作に興味を持たれた方で原作の作品群を知らない方のために敢えて言っておきますが、この作品では「密室トリック」とか「アリバイ」といったミステリに欠かすことのできない要素は敢えて一旦忘れてみてください。
そもそも「魔術」だの「呪い」だのが出てくる作品なのでまずはそういった常識に囚われすぎないことも重要です。(それでいてそういう視点を保つことも本作を楽しむ秘訣かもしれません)

推理の世界では事件の解明に3つの要素が重要だとされています。
つまり
・フーダニット(誰が犯人か)
・ハウダニット(どうやって犯罪を行ったのか)
・ホワイダニット(なぜ犯罪を行ったのか)
この3つの要素は「だれが・どうやって・どうして・・犯行を行ったか」ということ。

たとえば普通の推理小説であればハウダニットを中心に展開していくことが多いです。
それが”トリック”であり、どうやってやったかがわかればあとは「それができたのは誰か」を導き出すことができます。
そして誰がやったかわかればあとは犯人が全ての動機を喋ってくれるのが美学ってもんです。
つまり3つの要素のうち1つがわかれば、あとの2つにたどり着くことも可能ということ。

しかし型月世界、つまり魔術の存在する世界ではそんなものは何の役にも立ちません。
ハウダニットが「魔術師が誰にも知られずにこっそり研究していた秘密の魔術で、魔術師本人が動くことなく自動で200km先の人物を呪殺した」という方法だったとしたら、そのトリックは解明不可能ですし、もしわかっても「誰が」「どうして」までたどり着くことができません。
フーダニットで考えるとしても、魔術師なんてみんな怪しいし、みんな犯行可能
となると「なぜやったか」という点でのみ犯人へと迫ることができる……はず!という視点でロード・エルメロイ二世は事件に挑んでいきます。

ということで作品の良さの0.01%もお伝えできませんでしたが、難しいことを考えずぜひ読んでみてください。

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