『サクラ革命』……DWはFGOの成功で一体何を勘違いしていたのか

敵を知り己を知れば百戦殆うからず?

(愚痴だらけです)

昨年12月よりサービス開始されたサクラ大戦シリーズの世界観を微妙に継承した新作スマホゲーム『サクラ革命』。
開始前はそれなりに期待値の高い作品でした。
しかし現在はGoogleで検索した際のサジェストがこんな感じです。

なるほど炎上。

まあ炎上してるというほどのものじゃなくて、普通に微妙なゲームだったって落ちです。

サービス開始前はそれなりに期待されていた

現在ではいろいろな意見が噴出している『サクラ革命』ですが、サービス開始前はアニメーションの出来も良く期待はされていました。

文句を言っていたのはシリーズ古参のファンだけで、天下のセガとFGOで大成功したDWが手を組んでリリースするゲームということもあり期待値は高かったように思います。
私も旧作のファンですが『新サクラ大戦』のように旧作のキャラを犠牲にしてストーリーを作るのではなく完全に新しい時代の話だということで期待していました。

さらに言えば個人的にはサクラ大戦も好きですがFGOもプレイ中なので、FGOの成功で一気に開発パワーの上がったDWの”現在の技術”を見れば、『FGO2』という未来を感じることができそうでした。

勝利は約束された

音楽はサクラ大戦シリーズの神の一人である田中公平先生
今や業界で覇権を取ったと行っても過言ではないアイドルVtuberグループホロライブの協力。
『新サクラ大戦』で失敗した過去作の世界観の中途半端な継承もナシ
各地のご当地メンバーによる地元愛とのシナジー。
そして天下のセガ
FGOで大成功したDW

約束された勝利の剣があった、はずだった。

何を勘違いしていた?

そもそもDWがどういうオーダーを受けたのかはわかりませんが、基本的な部分はFGOの焼き増しのような作り。
FGOの未来がこれなら今のうちにスマホを海に投げたほうがいいレベル。

そもそもFGOの成功とはどのようなものなのでしょうか?

個人的な感覚ですが、FGOはストーリーとビジュアル、キャラクターデザインのみ評価が高いと感じています。
奈須きのこ先生とその設定をよく理解したライターさんたちが生み出すストーリーとキャラクター設定、そして美麗なイラストのサーヴァント。
これらこそがFGOを牽引している要素であり、他のソシャゲに対して有利なのはこの部分だけ。
TYPE-MOONサイドとイラストレーターさんがほぼすべて。

逆に言うとDWの作っているシステム部分や課金システム、強化・育成などに関してはむしろ標準以下、時代遅れの産物なのです。
Live2Dもなし、3Dでもない、フルボイスでもなければ、立ち絵差分も表情だけ。
2Dのペラペラキャラクターであれだけアクション頑張っているのはすごいですが……。

だからFGO2なんて話も出るわけで。
FGOアーケードの3Dの出来はそこまで悪くないですし。

『サクラ革命』ではキャラクターの3Dモデルを用いたアドベンチャーパートは革新的でしたし、シナリオも悪くありません。

しかしなぜかFGOの悪いところだけキッチリ継承してしまいました。
これDWが関わらなきゃ面白くなったんじゃないか……?

3Dモデルもそれほど良いとはいえない出来で、個人的には『ガンパレード・オーケストラ』を思い出しました。
あっちのほうが面白かったですけど。

FGOで成功したのは自分たちのおかげだとでも思ってたんでしょうか。
もちろんDWの努力や成果は素晴らしいと思いますが、それをわざわざ新世代のソシャゲに持ち込むべきだった?

ていうか古いシステムがお好きならサクラ3以降のARMSシステムをスマホでできるようにすればよかったんじゃ……?
SEGAなら『戦場のヴァルキュリア』でノウハウが蓄積されてるはずでしょ?

ライン戦闘とかいう戦略性のかけらもないバトルよりも1~2のマス目で戦うほうが戦略性もあって楽しかった。
1996年のゲームに戦闘の楽しさで負けるってどうなんだ……。
あのFGOですら面白く感じられるレベル。

SEGAから「FGOとおなじにして!」っていうオーダーがあったならSEGA大戦犯ですが、そのへんの真相はどうなんですかね?
FGOも初動はメンテ地獄でキツそうだったし起死回生のチャンスはまだありそうですが…?

個人的にはVtuber起用は問題じゃない

『サクラ革命』の失敗の原因の一つとして言われている「Vtuberの起用」は問題ではないと考えています。
本作がシリーズ未履修の人達が楽しめるのであれば、集客の関係から宣伝としてのVtuber起用はターゲット層とも合致していると感じます。
声優としての実力はわかりませんが、声を使った商売である以上それなりのものができるはず。

とはいえVtuberの方たちがどれだけ頑張って集客した所でゲームがこの状態では無理かもです。

サクラ大戦はもう戻ってこない

個人的には今作の成功はすなわちサクラシリーズの今後につながることを期待していました。
しかし『新サクラ大戦』『サクラ革命』という流れを見ると、SEGAはDWと組んでとどめを刺したなって感覚です。

そもそも広井王子氏、藤島康介氏と松原秀典氏、あかほりさとる氏がいないことがこの地獄を生み出す原因なのは明らかです。
私は懐古主義的に過去を美化して持て囃すのは嫌いなのですが、これはもう昔のほうがいいって絶対。

田中公平氏のおかげで若干保っていますが、作詞が広井王子氏じゃないからか歌謡曲っぽさも無くありがちな内容になってしまっているのも気になります。(新サクラのOPは広井王子氏作詞です)

キャラクターの可愛さでセールスを稼ぐビジネスであるからには今後も光武などの霊子甲冑とは相性が悪いでしょうしもう無理かもしれないですね……。

過去作のリメイクなども期待したいところですが、それにはやっぱり広井王子氏とREDカンパニー(レッド・エンタテインメント)が関わってくれないとあのいい意味で凝りすぎた設定は戻ってこないでしょう。
アメリカ南北戦争からの歴史年表のついた設定資料集とか蒸気機関の軍事・民間利用とかそういうしっかりとした設定も面白かったですよね。

とはいえサクラ大戦のスタッフの多くは高齢化しているはずなので……つまりもう無理なのかもしれません。

私は小学生の時に叔父がくれた古いセガサターンとたくさんのゲームソフトの中からサクラ大戦に出会いましたが、その頃にはサクラ大戦自体ほぼ下火でしたから…。
このままだと一生サクラ大戦のブームを目にすることはできなさそうです。

もういっそ名越稔洋が関わってるなら『サクラが如く』にしちゃえばいい。
大正時代の街並みを歩いていると降魔が出て来て肩がぶつかるとバトルスタート。
風林火山のそれぞれのケンカスタイルで素手で倒す。
劇場を管理して一攫千金だ!

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