『Ghostwire:Tokyo』は視野角の変更ができないことが問題だ

広い視野を持ちなさいと言われて育ちました。

本作のゲームとしての総合的なクオリティはとても高く、また日本のプレイヤーにとっては母国を舞台にしたオープンワールドゲームという点で大いに意義のある作品だ。
渋谷という街の洗練された雰囲気から雑多でゴミゴミした部分、いつ終わるかもわからない再開発真っ只中の異質な印象まで忠実に再現されている。

しかし全てを台無しにする要素がある。
それがField of View(FOV、視野角)の変更ができないことだ。

視野角の変更ができない

本作はゲーム内の設定で視野角の設定ができない。(2022/03/27時点)

これは一見すると素晴らしいゲームにおける「取るに足らないちょっとした欠点」だと思えるかもしれないが、筆者がプレイしたところ致命的な問題のように思える。

視野角が狭いと酔いやすい、逆に酔いにくいというのはサイトや人によって書いてあることが正反対だったりするので個人差があるのかもしれないが、私の経験上では視野角が狭いと間違いなく酔いやすい。
視野角が狭いことで周辺視野を補うために視点移動を繰り返す必要があるため、目の前を風景が縦横無尽に動くため酔いやすいのだろう。


(↑通常の視野角、ゲーム中はかなり狭く感じる)


(↑外部ツール利用で無理やり30%視野角を拡張した。周辺視野がかなり増える)

一般的に人間の視野角は180度と言われており周辺視野を含めるとかなり広い範囲が見えるが、PCゲームの一般的な視野角は90度前後が多く50~130程度まで変更できることが多い。
現実とのギャップも画面酔いの一因だろう。

そこで本題に戻るが、本作の視野角はおおよそ75度~80度程度だと思われる。(多分)
これはFPSゲームとしてはかなり狭い方だ。

これがTPS(三人称視点)やもっとゆったりとした動きのFPS(一人称視点)であればそれほど問題なかっただろう。
激しい視点移動がなければ酔うこともない。

しかし本作は敵の怪異を退治するために比較的激しい視点移動を求められるのだ。

そこかしこから出てくる怪異へと視点を移動して攻撃、別の怪異を攻撃、上空の怪異を攻撃……と一度に複数の敵を処理することで有利になる戦闘システムも相まってかなり厳しいものがある。
この弊害でプレイヤーはブンブンと視点を振り回して攻撃することを余儀なくされるため、酔いやすい人にとってはこのゲームは地獄だ。

例えば広い丘や草原といった広々としたフィールド環境であればそれほど厳しくはないかもしれない。

しかし本作は御存知の通り夜の渋谷を舞台にしており、多数の光源や反射、狭い室内や路地裏など視点移動時の負荷は凄まじい。

2022年のFPSで視野角の設定ができないのは衝撃

MODを入れないと視野角の変更ができなかった『BIOHAZARD VILLAGE』では画面酔いが多数報告され公式が画面酔いしにくい方法を記載するなど対応に追われていた。
この失敗から学ぶべき点は多いと思うが、約1年後に発売された本作は視野角設定が不可能だった。


同じBethesdaの他の作品でもコンソールコマンドや設定ファイルの編集などでFOVを変更していたのでBethesda的にはあまりいじってほしくない部分なのだろうか。
確かに見え方が変わればゲーム体験も少なからず変化して公式の想定した表現とはならないかもしれない。

とはいえ近年のFPSのゲームはほぼFOV設定ができるものが多く、本作にそういった設定項目がないのは衝撃的だった。

先行プレイに参加したゲームメディアのレビュアーは酔わなかったのだろうか?
それなりにレビューは確認したがそういった記述はなかったように思える。
私の三半規管が弱すぎるのか、それとも彼らは選ばれしつよつよ三半規管を持つプロレビュアーなのだろうか。

本作はPlaystation5とPCが向けにリリースされているが、全体的にコンソールを基本にしている雰囲気がある。
特にゲーム開始時のデフォルト設定は「PC版のデフォルト設定を決めた人はマウスとキーボードを会社から支給されなかったのか?」と思うほどにひどいものだった。

ではデフォルトの設定がパッド用に特化しているのかと思いきや、友人が数人パッドでプレイしているが設定変更にだいぶ時間がかかったと言っていた。(コンソール版も含む)

コンソール側の問題でFOVの設定ができない可能性もあるが、PC版だけでも設定ファイルの直接編集でいいから変更できるようにしてほしい。

あくまで個人的な感想ではあるが、敵がシンプルで種類が少ないといったことや戦闘がワンパターンだといった批判の声を聞くがそれ以上にFOVの設定だけはなんとかしてほしいと思う。

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