hitchBOT,

Sometimes bad things happen to good robots.

Hitchhiking Robot’s Travels Come to an Abrupt End in Philadelphia

ヒッチハイクで旅を続けていたhitchBOTが4日無残にも破壊されてしまいました。
hitchBOTは自力では全く動くことの出来ないロボットで、LEDマトリクスとタブレットPCを備えただけの簡素なもので音声や電光表示などで人間とコミュニケーションを取ります。
これまでカナダやドイツ、オランダでヒッチハイクでの旅を完全に無傷で成功させており人間がロボットに対して動物などの生物に接するのと同じように優しさを持って接することができることを証明してきました。
各国とも多くの人が優しくHitchBOTを車に載せ、目的地へ連れて行き、時には観光名所へ連れて行ってあげたりおもちゃなどを与えたり、HitchBOTは人々の善意に接し、着実に目的地へと進んでいました。
今回は米大陸横断を目指し米東海岸のマサチューセッツ州から旅を開始します。
小さな体で道端にいる姿はまるで子どものようです。
スタートから2週間後8月1日にペンシルバニア州フィラデルフィアに到着し、その後何者かによって破壊されてしまいました。

HitchBOTに与えられた無数の善意とたったひとつの悪意

これまで様々な人々の善意に触れてきたHitchBOTですが、アメリカで悪意ある人に出会ってしまったようです。
HitchBOTを壊すということはあまりにも馬鹿げたことであり、壊した人が一体何を思って壊したのか不思議です。
彼の搭載していたタブレットPCなどのエレクトロニクス目当てだったのか、彼のようなロボットが嫌いな人だったのか、たまたま衝動的に犯行に及んだのか。
HitchBOTは無数の善意とたったひとつの悪意を与えられて、アメリカでの旅を終えました。

破壊なのか殺害なのか…

多くの報道機関が今回の事件を報じていますが気になるのは「KILL(殺害)」という表現を使っている点です。
ロボットという存在はあくまで生命ではないので変な表現なのですが、正直納得してしまいますよね。
ロボットだろうとなんだろうと人の手を離れて活動していたわけで、それを誰かが危害を加えたら…「殺害」という表現は適切なような気もします。
例えばニュースなどでアナウンサーがヒトが死んだ場合「亡くなった」と表現しますが動物の場合「死んだ」と表現すると聞きました。
こういう違いもある中で、ロボットは破壊されたのか殺害されたのか…私は「殺害された」と言うべき…と思わなくもないです。
ちなみに関連情報としてGoogleがスポットというロボット犬を高度なバランス制御機能のデモンストレーションとして蹴りまくって「かわいそう!動物虐待だ!」と批判を受けた件も思い出されます。

今回の件で懸念される”マイナスイメージ”

こうしてHitchBOTはアメリカで「殺害」されたわけですが、カナダ・ドイツ・オランダを無傷で旅してきたわけですから、アメリカへのマイナスイメージが出てきても不思議ではありません。
もちろんこの件はアメリカ全体の問題ではなく、HitchBOTを破壊した犯人だけが悪いのですが…。
人類の中に最低1人は「まるで子どものような大きさの無抵抗のロボットを悪意を持って破壊する」人間がいる事が判明してしまい、それがアメリカで起きたということは事実です。
暴動が起これば略奪したり、治安が悪かったりという社会の影の部分がすこし顔をのぞかせたように感じられたり…?
アメリカという国の不名誉とならないことを祈るばかりです。

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