sasakure.UK – Monster is dying to eat you feat. Perio+

いったい誰が怪物だ!?

怪物は君が食べたくてしょうがない

こんばんは、ALVAです。
昨年発売されたsasakure.UKさんのアルバム「ゼツメツコモンセンス」の3曲目「怪物は君が食べたくてしょうがない feat.Perio+」のPVが公開されました。

今回も深い意味があるPVだと思うのですが・・・。
ちょっと感じたことなどを書いてみたいと思います。
間違いだらけです。

単純にメッセージだけを受け取ればいろいろな立場の人がいろいろな欲求で動いているようにみえます。
そして人々は「怪物」を恐れながら、集団の中に「怪物」が実在しなきゃ気がすまない。
いっそ「怪物」なんていないなら作ってしまえばいい。

「君」は怪物にされてしまった人。(または怪物にされる予定の人)
「僕」はギリギリ怪物を指定する側の人間。(怪物予備軍)

「毒を盛る」は相手をハメて怪物にするという意味。
「君」が生きるためには「(怪物にされたきっかけの)毒を抜かなければならない」。
「僕」が生きるためには怪物にされないように誰かを怪物にしなくてはならない。

そんな世界の法則に彼女は傷ついているし、僕は跪かなくてはならない。

群衆の「意思を投げる」は思考を停止して罪悪感を持たない状態。
そして集団の中で気に入らない者や弱者を怪物に仕立て上げて迫害したい。

「怪物は君が食べたくてしょうがない」
格助詞”を”ではなく”が”なので君が食べたいという命題を表し怪物に対して構成されている文章になる・・・はず?(大学はなんちゃって理系なのでよくわかりません)
”君”を強く表している。
多分ここで出てくる怪物とは「君」がなった(なるかもしれない)怪物ではなく、人々の「怪物を生み出す」という歪んだ欲望のこと。
その怪物を生み出そうという怪物が君を食べようとしている。

魔法が何を指すのかは不明。
怪物を倒す魔法なのか怪物を生み出す魔法なのか。

僕が憎んでいるのは群衆の特定の誰かではないので「誰かが憎い」という言い方になっている。
”誰かが”の中には”僕”も含まれるかもしれない。
憎いのはなぜか=君の笑顔が見たいから

「道化師はただ笑いたくてしょうがない」
道化師=群衆の中でコントロールしている人間?
平凡な日常を「つまらないから」という理由で怪物を生み出す存在?

「ヒーローは世界を護りたくてしょうがない」
守らなくても世界は成り立つのにヒーローは世界を護ることが存在意義なので、マッチポンプ的に悪のいない世界にも悪を作り出そうとする。
行き過ぎた正義は結果としてヒーローが無から怪物を生み出すという本末転倒な結果を招いている。

「女王は自分が愛しくてしょうがない」
自己愛が強すぎる女王は自分よりも優れた者や美しい者を排除しようとする。
逆に大きく劣る者も差別し結果として自己愛が多数の無実の怪物を生み出す。

「世界はただまわりくどくてしょうがないのさ」
理由を並べ連ねて怪物を生み出そうとする世界の構造に「まわりくどい」と言っている?

「君がこの世界で生きるためには魔法を解かなければならないか」
前述の魔法とは別の魔法で怪物にさせられてしまう魔法のこと?

「僕がこの世界で生きるためには誤解を解かなければならないか」
魔法=誤解?
君の見たい魔法とは別?

「道化師は笑うーーー」
道化師は面白いことが好きなので楽しいニュースがなくても怪物を仕立て上げる魔法(誤解)を作り出して笑っている。

泣いているのは君なのか、僕なのか。
こんな世界だから?

「世界はただまわりたくてーーー」
世界はごく少数の怪物を守り助けるよりも、怪物を生み出す大多数を守るために怪物を生み出すシステムを許容している。
怪物は世界からも見捨てられている。

結果として「僕は手を下してくてしょうがない」「そう僕が毒を盛るから」となる。
君が怪物になるぐらいなら、僕が誰か他の人を怪物に仕立て上げれば君は助かるということ?

「皆 誰かが憎くてしょうがない」
勉強ができる、お金を持っている、容姿が優れている・・・。
様々な嫉妬や欲望を理由に人々は集団から怪物を生み出す。

でも僕は君の笑顔が見たい。
この願いですらも怪物を生み出しかねない。

「誰も傷つかなくてもいいじゃない」
本当は怪物もいないし、怪物を生み出す必然性はない。
それでも人々は怪物探しをやめない。

そして魔法なんて無いことを悟る君。

怪物が産まれたかはわからない。

という感じに受け取りました。
あくまで個人の受け取り方次第ですし、これがあってるなんて微塵も思っておりません。

集団があると「いじられ役」みたいな人っていますよね。
または嫌われて「いじめられ役」みたいになる人。
そういう人って、怪物の被害者なんだろうと思います。

高校時代とかは私のクラスではありませんでしたが、いじめはあったようです。
誰の彼氏をとったとか、色目使ってるとか。
そういう謂れのない謎の罪で無視したり、嫌がらせしたりするのって大なり小なりけっこうあったような気がします。

教員の勉強をしていた頃に聞いた話では教師は担任を持つとあえてクラスの中で一人だけ「冷遇」したり「いじられ役」にするというクラスのまとめ方があったとか。
教師たちは経験則で「うまくいく方法」だと思っていたそうです。
もちろん今もむかしもそんなこと許されませんし、そんな教師見つけ次第物理的にエリミネーション☆しちゃいたいです。
でも歴史を見ても、そういう弱者をあえて生み出す方法で統治がうまくいくパターンって多いんだそうで。

あなたの周りの人にもいませんか?
誰かの悪口ばかり言う人。
歪んだ正義感を持ってる人。
「行き過ぎた正義は8つ目の大罪だ」B・壱というマンガに出てきた言葉を思い出します。

私も二十数年も生きているのでさすがにそういう人にも出会いました。
人に自分のやり方を強制させる人。
個性を否定する人。

そういう人たちが歪んだヒーローで女王で道化師で、そういう人にひざまずいている群衆。
そして結果として彼らは怪物を生み出しているのかもしれません。
統治のための犠牲として。

そして今日も群衆は怪物を望んでいます。
職場で、学校で、テレビで、インターネットで。
一部の人を除き私たちは怪物を見つけたら、一斉に攻撃するのです。
その人が無実であっても。