WOT 戦車紹介 No.4 「M2 Medium Tank」

一撃必殺!

WOTの戦車に愛着を持つために勉強します!のコーナー、4回目はアメリカTier3 「M2 Medium Tank」について勉強してみます!
日本ではそのまま「M2中戦車」と呼ばれていて、アメリカ中戦車M3やM4のお兄さん的存在ですね。

生産は得意だけど設計があんまり得意じゃないアメリカ?

製造されたのはちょうど1940年頃。
第一次世界大戦と第二次世界大戦後の戦間期、アメリカは極端な中型戦車開発能力不足に悩んでいました。
その後のM3中戦車の製造能力を考えると、生産することはできても新型戦車の良いアイデアがなかったんですね。
そんな中戦車不足の中で生み出されたのがM2中戦車です。
M2中戦車は、同時期に開発され完成間近だったWOTにも登場するM2軽戦車(M2 Light)の技術を流用して作りました。
だから履帯周りなんかは共通部品で、見た目も似てますよね。
軽戦車の部品を寄せ集めて作ったように思われるM2中戦車ですが、前面装甲は見て分かる通り傾斜装甲を採用しており、当時の装甲設計としては非常に優れたものだったそうです。

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ドイツの進化についていけなかったけど・・・

さて、このM2中戦車は完成次第ヨーロッパ戦線へ投入されることとなっていましたが、やっとこさ製造したのに戦線へ送られる頃には旧式化してしまいました…。
アメリカは戦車をあくまで「歩兵のおまけ」「動く騎兵砲」程度にしか考えていなかったのです。
もともと戦車は塹壕を乗り越えて銃撃するのが目的だったのであながち間違いではないのですが、この頃ヨーロッパでは戦車を用いた革新的な戦法が運用され始めていたのです。
それが機甲師団、いわゆる戦車部隊の登場です。
それまで歩兵のお供で、各部隊に一両ずつなんて考えだったにもかかわらず、なんとドイツでは「戦車部隊」を作り、分散配備でなく集中配備したのです。
この手法はまさに革新的で、1939年にはポーランドを一ヶ月で倒し、1940年にはフランスをたったの二ヶ月で占領してしまいました。(このおかげか未だに海外掲示板ではフランス=白旗のイメージが強いですw)
さてさて、そんな中でヨーロッパでは戦車が歩兵を倒すのではなく、むしろ戦車が戦車を倒さなくてはならなくなり、アメリカはポーランド戦やフランス戦での経験から大口径の大砲を搭載しないといけない事がわかったのです。
さらに言えば、相手の大口径の大砲に耐える装甲も必要となりました。
M2中戦車は悪い戦車ではなかったのですが、その頃ヨーロッパで通用する75mm砲を回転砲塔に搭載することが技術的に難しいこともあり、少数生産になってしまいました。

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前面装甲に2丁、側面の出っ張りに前後2丁ずつ、計6丁も機銃があるのはまさに初期の塹壕走破を目的とした戦車の流れをくんでいるからです。
対戦車と言うよりは対歩兵のほうが重要だった頃の名残ですね。

WOTでは大火力を活かした一撃必殺タンクに!

そんな不遇なM2中戦車ですが、WOTでは短砲身ながら75mm砲を搭載できるようになっています・・・八九式にも搭載してあげて・・・。
この75mm砲はとんでもなく強くって、同Tierの戦車ならほぼ一撃で屠ることができるほどです。
とはいえ、ゲーム中ではどうなっているのかはわかりませんが、初期砲塔であるM2M19から改良砲塔であるM2M7に換装するとなんとオープントップになってしまいます。
M3中戦車までのつなぎとしてこういった砲塔が設計されていたのかもですね。
装甲も前述の通り傾斜装甲を採用しているので、そこそこ弾いてくれます。

Tire3ではありますが、その歴史、使いやすさ共に扱っていて楽しい戦車です。
中戦車だという点も大きいですし、視界も思ったより広いです。
榴弾大好きな方にもおすすめですね!

(当記事は2013年頃の記事の修正版です)

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