任天堂が発表した『Nintendo Labo』はゲームが現実に広がる大きな第一歩かもしれない

VRでもARでもない、ダンボールを使った現実拡張。

任天堂は先日、一本の動画をアップロードしました。
「新しい遊び」という意味深な言葉で予告された動画は、私達が思い描いたハイテクなVRやARなどではなく、とってもアナログなダンボールとSwitchを組み合わせて遊ぶ、全く新しい試みでした。

ダンボール × Nintendo Switch

動画内では数枚の段ボールシートが登場し、それぞれを組み立てることで様々な形に変化していきます。
ピアノの形にしたり、お家の形にしたり。
それにSwitchの画面をはめたり、コントローラーを差し込んだりすることでダンボールの箱が様々なコントローラーや周辺機器として動作するというものでした。
19世紀から存在するダンボールと21世紀の最新ゲーム機Nintendo Switchがクロスオーバーするというあまりにも突飛な発想は正直想像すらしていませんでした。

考えてみるとダンボールはいつもゲーム機の友達だった

しかしよく思い返してみるとダンボールは常にゲーム機のそばにいました。
例えばNintendo Switchの梱包は強固でよく考えられた梱包がされていましたし、それはPS4などにもいえます。
スーパーファミコンは確か発泡スチロールだったと思いますが、それでも周りのパッケージは薄いダンボールのようなものでしたよね。
一時期ネットで話題になったゲーム機がほしい子供がダンボールで作っちゃうという画像もありましたね。

Nintendo Laboは理想的な知育教材になるかもしれない

ダンボールでモノを作るというのは、子供にとってのものづくりの第一歩です。
ただの大きな箱を秘密基地にしてもいいですし、それを分解して好きな形に切り取っても良い。
そのうちダンボールで剣や盾を作り出し、様々な工作をするようになります。
ダンボールと豊かな想像力さえあればタイムマシンだって作れちゃうのですから。
いまだにゴミ捨て場などでダンボールを見ると、ゴミ<お宝 みたいな変な思考になるぐらい大きなダンボールは無限の可能性を秘めた素材です。

そんなダンボールとNintendo Switchを組み合わせるというのは大きな意味を持ちます。
Switchには数多くのセンサーが内蔵されており、それまで想像の産物でしかなかったダンボール工作を本物のように動かすことができるようになります。
それは子供たちにとって間違いなく素晴らしいものづくりの体験になるはずです。

最初はゲームに付属するダンボールを言われたとおり加工することでピアノやつりざお、バイクなどが作れます。
次第に「なんでこうなってるんだろう?」とか「なぜボタンを押すと音が出るんだろう?」と子供たちは考え始めるかもしれません。
遊んでるうちに壊れても、ダンボールなら直せます。
なぜだろうと思ったり、壊れたダンボールを直すうちに自然とセンサーの仕組みが理解できて、新しいアイデアを子供たちが生み出すかもしれません。
それは間違いなくものづくりの第一歩で、彼らの人生において何かのきっかけになるかもしれません。

またデコレーションキット(980円程度)も同時に発売されるようできれいなマスキングテープやステンシルなどで可愛くデコることができるようです。
これもお子さんが自由に遊ぶことで芸術的な素養が生まれるかもしれません。

一番大きいのは「どこにでもある」ということ

今回発表されたダンボールを使った新しい遊び方は、新技術はSwitchのみであとはありふれた材料で作られています。
ダンボールはどこでも調達できますし、紐や輪ゴムなども付属のものじゃなくても問題ないようです。
デコレーションもカラフルなサインペンさえあれば十分ですし、補修・装飾用のマスキングテープなどは100円ショップに行けば沢山の種類があります。
作る時や材料の買い出しをお父さんお母さんや保護者の方に手伝ってもらえば、家族で仲良く工作をすることもできます。
友達と色々悩みながら作るのも楽しそうですね。

同じ方向には進まない任天堂

世界中のゲーム市場でVRなどの「ゲームにさらに没入させる」という考えが加速する中で、突然「ゲームの外でダンボールをコントローラーにして遊んでいいよ」と言われたのはゲーマーとしてはかなり衝撃でした。
一応教員免許を持ってる身としては子供たちがゲーム機のセンサーやカメラ、振動機能を使って様々な想像を形にしていくというのは最高の教材なのではないかとも思います。

作った工作はきっとインスタで撮影しても絵になるでしょうし、そのうち塩ビ管や金属板などを使用したガチな工作をする大人も出てくるでしょう。
そうやって色々な作品を自由な発想で生み出す環境を提供して、あとは使用者に任せるスタイルは素晴らしいです。

任天堂のゲームは任天堂にしか作れない。
そういうところが大好きです。

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