妖精とワープを駆使する横スクロールアクション『ELMIA』の体験版をプレイしてみました

”少女と妖精は村のみんなを助けるために森の奥へ向かいます……。”

『ELMIA』の世界は美しく儚げで厳しい世界です。
少女はひとり村人を助けるために深く恐ろしい森へ踏み入り、小さな妖精は力の限り彼女を助けます。
プレイヤーは少女と妖精のふたりを同時に操り森の奥深くへとできるだけ安全に導かなければいけません。
森の中は不確かな足場とトゲだらけの植物や様々なギミックによって阻まれ、時には完全に進行不可能と思われる壁すらも頻繁に現れます。
しかし本作のゲームシステムの最大の特徴とも言える少女と妖精をうまく使い分けることによって一見行き止まりと思えるような障害物も越えていくことができるのです。
果たしてふたりは森の異変から村人を助けることができるのでしょうか?
そしてプレイヤーは森の奥へ向かったふたりを助けることができるのでしょうか?

【ELMIA公式サイト】

httpss://keishoabe.wixsite.com/elmia

【ELMIA Steamストアページ】

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ストーリー・絵・雰囲気・音楽・ゲーム性…全てが素晴らしい

『ELMIA』を初めてプレイしたとき、目と耳に飛び込んでくる全ての要素が美しく素晴らしいものでした。

この水彩画のような美しい世界で自由に操作できる素晴らしさを感じて欲しい。

ゲームで最も刺激される五感といえば目と耳ですが、そのどちらの点でも『ELMIA』の世界はまるで絵本のような美しさで楽しませてくれます。
音楽もゲームにとてもふさわしくサウンドトラックが欲しくなるような透明感のある透き通った素晴らしいものです。

綺麗なオブジェクトは背景との境界がわかりやすくゲームをプレイしていて不満を感じたことはありません。

ゲームの最大の特徴とも言える妖精への瞬間移動は横スクロールアクションゲームという使い古されたジャンルにも関わらずとても新鮮な体験で、うまく連続移動できると大きな快感を得ることが出来ます。

プレイヤーは任意のタイミングで自分の操作した妖精のいる位置へと主人公(自キャラ)を瞬間的に移動させることが出来ます。
このように前方に完全にルートを塞ぐような障害物が出てきても妖精はオブジェクトをすり抜けることができるので、妖精を前方に移動させて主人公を瞬間移動させると…。

このように障害物をすり抜けることができるのです。
ただし画面中央のオレンジ色のゲージを消費するため過度に連続して使用することはできません。

全体の障害物配置も素晴らしくプレイヤーはステージを進むごとに様々なテクニックをとても自然な形で習得していきます。
それはステージの設計が秀逸だからに他なりません。
たとえば下のようなシーンでプレイヤーの多くはおそらく瞬間移動を使った連続ジャンプで前方へと移動する方法を考えます。(上下のトゲのつるは当たるとダメージ判定です)

連続ジャンプの準備のために妖精をこの細い回廊の中に入れると…。
中央にあった青いシンボルに妖精が衝突、爆発して周りのトゲを吹き飛ばしてくれたのです。
これでプレイヤーはこの青いシンボルをステージを乗り越える戦略の中に自然に組み込むようになるでしょう。

ここに来るまで青いシンボルはいくつかステージ上にあったのですが、プレイ次第では使う必要がありませんでした。
ですがここで一度強制的に使用させることでプレイヤーはこのシンボルが便利な味方であり、ステージ上のギミックを動作させるカギなのだと認識するはずです。

こういった細かな気配りのようなレベル・ステージのデザインがされているゲームは素晴らしいものが多く、例えば名作と名高い『Portal』はその点において伝説的なゲームとなっています。

本作でもゲームの説明は最序盤のとても可愛らしいポップアップイラスト1枚のみであり、敢えてゲームの操作説明を文章で行わない工夫が随所に散りばめられています。

プレイヤーは途中で連続して移動することで地面に着地しない移動法を見つけるでしょうし、角度をつけて何度もジャンプすることで様々なムーブが可能なことを身をもって習得することができます。
先述の『Portal』でフリングのテクニックを習得した時のように、プレイヤーは自然に操作方法を習得していくことができるのです。

そして体験版だけではまだハッキリとはわかりませんが、序盤のステージだけでも横スクロールとワープだけのゲームではないことがわかります。
ステージ内に用意されているギミックやアイテムをワープや妖精と組み合わせることで様々な遊び方のできるシンプルで奥深いゲームなのです。

また、時間が常に表示されることからもわかる通りこのゲームはタイムアタックの要素もあり、一度クリアしても何度でも遊ぶことのできる作りになっています。

問題点が無いわけではないがとても少ない

この世に完璧なものがないようにゲームにも完璧なものは存在しません。
あるのは完璧に近いゲームだけです。
本作も先程挙げたストーリー・絵・雰囲気・音楽・ゲーム性などにおいて高い評価を得るのは間違いないでしょう。

しかし問題が無いわけではありません。

例えば妖精を操作する際に妖精は常に画面左上にまるで吸い寄せられるように張り付いており、移動させてもすぐにニュートラルポジションへと戻ってしまいます。
そのため繊細な操作をするのは若干厳しく、どうしても思い通りにいかない場面が見受けられました。
とはいえこれはゲームの難易度調整に寄与しており、むしろ個人的にはバランスデザインの一環だと思っています。
これがマウスで妖精を固定して移動できたら難易度はコントローラーよりも簡単なものになってしまうでしょう。
ただ人によってはこの妖精の頑固な挙動が気になる人もいるでしょう。

本作ではゲームの開始時に4つのコントロール方法を選ぶことが出来ます。


この操作を選ぶ際に気をつけてほしいのはXBOX Oneコントローラーは正常に認識されないという点です。
まだXBOX Oneコントローラーは普及していないため「XBOX」という項目を選んでも妖精の操作が右か下のどちらかしか行えず斜めへの移動ができない現象を確認しました。
この「XBOX」という項目が指しているコントローラーとはXBOX 360コントローラーのことだと思いますのでご注意ください。
ちなみにPS4コントローラーは正常に動作しプレイすることができました。
また、キーボードでの操作は可能ですが個人的にはコントローラーでのプレイをおすすめしたいと思っています。
ただ気をつけてほしいのはワイヤレスコントローラーの場合ゲーム開始前に必ずコントローラーを起動しておかないと効かないボタンなどが出てきます。(当然ですが)

次に気になったのはオプション(コンフィグ)がないことです。
近年PCで発売されるほとんどのゲームにおいてオプション機能は搭載されています。
BGMやSEの音量設定、解像度の設定、フルスクリーンとウィンドウモードの切り替えなどは標準搭載されているものが多いです。
しかし本作にはオプション機能が存在しません。

考えてみればファミコン~スーパーファミコン時代にはそういった機能の無いもののほうが多かったわけですからシンプルなゲーム性を考えればコンフィグという機能がなくてもスピーカーやWindowsの音量を絞ればいいわけです。
ただやはりBGMとSEごとに音量設定ができたほうが便利だとは思いますし、ウィンドウモードにできれば嬉しいなとは思います。
特にキーコンフィグはこういったアクションゲームでは重要となってきます。
でもそれはゲームの評価とは切り離して考えるべきでしょう。
ゲーム内におけるBGMとSEの音量関係は適度な調整が成されており、キー配置も適切でそれほど不便に感じません。

Steamにて12月中の発売を予定

製作元のインディーデベロッパー”AECRNIA”は2017年12月8日にSteamでの発売を予定しているようです。
すでに完成版はイベントなどで頒布されているようですがSteamで販売されれば多くのプレイヤーが遊ぶ機会を得ることができるので喜ばしいことですね。
言語対応としてはゲームの最初の設定で日本語/英語/中国語の3ヶ国語に対応していることから海外のプレイヤーもこれから増えていくでしょう。
対応言語以外の言語圏のプレイヤーでもゲーム中のストーリー以外でプレイヤーは文字を目にする機会がほぼないようなゲームデザインになっているため言葉がわからないプレイヤーでも十分楽しめると感じました。

横スクロールがあまり得意でない私でも十分に楽しめましたし、本作は製品版では4種類のゲームモードを選べるようなのであまりゲームが得意でない方でも遊べそうです。
またSteamに対応することでBig Pictureを利用でき、リビングのテレビなどでもコントローラーを使って遊べるので友達とカウチゲーミングを楽しむということもできるかもしれません。

もし続編が出るのであれば例えば妖精の操作を2Pのプレイヤーに行わせるとか、そういうローカルマルチプレイの要素があっても面白いと感じました。
Switchなどでそういった協力プレイができる作品としてリリースする予定などはないのでしょうか?
もしリリースされたらふたりで楽しく協力プレイができてきっと盛り上がるはず…!
任天堂のインディーデベロッパーサポートを受けることができれば夢じゃないかもしれませんね。

サウンドトラックの同時発売も予定しているようです。

とにかく12月8日の製品版が楽しみですね!

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