中国でも北朝鮮でもおんなじだけど『レッド・ドーン』

リメイク前はソ連だし。


「あらすじ」
舞台はアメリカ・ワシントン州スポケーン。
突如として現れた敵の航空戦力と空挺部隊によってアメリカは一気に侵攻されてしまう。
なんとか山中へと逃れた少年少女たちは故郷を取り戻すためにレジスタンス「ウルヴァリンズ」を結成し北朝鮮軍へと立ち向かっていく。

監督は『007/慰めの報酬』でアクション演出を手がけたダン・ブラッドリー(Dan Bradley)。

本作は1984年公開の『若き勇者たち』のリメイク作品で、公開まで紆余曲折合ったことで有名。
もともとは原作で敵として登場したソ連を中国に変更して脚本が書かれるも流出、抗議を受けて北朝鮮ということになりました。
アメリカの映画産業はチャイナマネーで溢れていることを考えればこうなることは予想できましたよね…。
撮影後に変更になったためおかげさまで映画の内容はハチャメチャですが立派なコメディ映画に仕上がっています。

空母もないのにどうやって戦闘機を展開したのかなど設定が滅茶苦茶になりそうですが、そもそも「中国が攻めてきた」と思いながら見れば多少は納得できる内容じゃないでしょうか。
明日食う飯にも困ってる北朝鮮を悪役にするのは無理があるのです…。
現代戦でこれは無理…。

とはいえ見どころがないわけではありません。
テーマは「少年少女が頑張って生き残るドラマ」ですから反乱軍として結束する場面、初めて敵を倒すシーンなどはリアリティもあります。

途中の結束するシーンではグレッグに謝れって感じですが。
お兄ちゃん頑張ってるのに弟は足引っ張りまくるし。
グレッグとお兄ちゃんに謝ろうな?
弟の覚醒までに犠牲者出しまくりですから…。

途中で数人の元海兵隊と合流しますが”お前ならSASでもデルタでもスペツナズでも…”みたいな感じになってて面白かったです。

エッカート兄弟が褒め合うシーンがお気に入りです。
後にお兄ちゃんの方を演じたクリス・ヘムズワースは『Thor(マイティ・ソー)』で主人公のソーを演じています。

最後の方でダリルが知らず知らずのうちに追跡装置を埋め込まれて敵の襲撃を受けてしまった際にめちゃくちゃ責められていて、「いやマットのほうがやべぇミスしてただろ!」と思いました。
むしろダリルは頑張ってただろ…不可抗力じゃん…。

アメリカ軍が組織立った反抗ができなかったのは電気を止められちゃったから、ということで電気代はちゃんと払わないといけないなと思いました。
要するに北朝鮮の新兵器で電気を止めちゃったらしいので、ガンダムでいうミノフスキー粒子的な舞台づくりの重要な部分のようです。

ということでまとめ!

「まとめ」
・『ハンガー・ゲーム』とかが好きならおすすめ。
・むしろシリーズ化やゲーム化しなかったのが残念(『Crysis』か『HOMEFRONT』があるから別にいいかも)
・敵は中国だと思いながら見るとリアリティアップ
・撮影後に100万ドルかけて中国→北朝鮮にCGなどで書き換えたりしたことで迷作化
・カーキ色のレゴブロックみたいなアイテムをみんなで取り合い犠牲者を出す
・映像の迫力やレジスタンスの作戦などはリアルで面白い!
・横槍が入らなければ面白かったんじゃないかというもったいない作品
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