「劇場版 龍が如く」

真島の兄さんだけ良かったですね!

こんばんは、ALVAです。
龍が如く最終章が発売とのことで、Huluで劇場版を観てみました。

ゲームは1~3までプレイ済み。
4はクリアしてなかった気がしますが持っています。

※あらかじめご了承ください※

このブログの基本的な姿勢はどんなものでも「いいところを書く」ということなのですが、この映画の場合それをやっちゃうと↑の一行で終わってしまうので、今回は少し批判的に見えなくもないことを書くかもしれません。
ただ一見批判的に見える文言も、筆者としては「褒めているつもり」なのでそういうことでお願いします。

本文中に
「龍が如くという最高級の材料を使いつつ、監督の自己満足という隠し味によってある意味名作となった」
「よかったのはキャスティングだけ(錦山を除く)」
「オリジナルの韓国人殺し屋と銀行強盗と強盗の若者がいなければ単発30分ドラマにできたんじゃないか」
などというニュアンスの文章が入っていたら、それは筆者の意図するところではございません。ブログの不具合かもしれません。
そういった不具合が嫌いな方はお帰りください。

原作を敢えて改変した英断

「他メディアを映画化する場合、原作の内容を読み違えることなく深く知る必要がある」と考える三池は、映画化の話が決まると即PS2本体を購入。難易度イージーではあるが、不慣れなゲームを3日3晩かけて寝ずにクリアし、内容を咀嚼したという[1]。

龍が如く 劇場版 Wikipediaより

監督はこのように語っておられて、ゲームまでちゃんとクリアするなんて凄いことですね。

原作の内容を読み違え無いようにわざわざゲームをプレイしていたわけです。
なぜか原作との相違点だらけなのですが、プレイヤーの数だけ物語があるって言いますし。

さて、劇場版ではこんな素敵なオリジナルキャラクターたちが登場します。

「銀行強盗」

今西と中西という強盗が銀行を襲うも銀行にはお金は無い。
仕方ないので何故か立てこもり続けた。

この銀行強盗は常にニットのマスクをかぶっており、顔は劇中では最後を除いて出てきません。
結局最後に私の大好きな遠藤憲一さんとムロツヨシさんだということがわかります。
この銀行強盗は作中何度も登場しますが、物語の本筋には一切関わりません。
冷房の壊れた銀行内でただただ「暑い」と愚痴を言わせ続けるだけ。

たぶん監督はこういうクライムコメディ映画が撮りたかったのかもしれませんね。
映画の中に、ほぼ交わらない2つの作品が同時進行で進んでいくさまは圧巻です。
もはやお互いカットされていても何ら問題ないレベルでびっくりしました。
ていうか、本筋よりこっちを映画化したほうが面白かった気もします。
おっちょこちょいの強盗なんて二番煎じどころか数百番煎じですが、定番というのは悪いものではありません。

ちなみにこの強盗を見張っている刑事が哀川翔さん。
こちらもまったく本筋には関わってきません。

「強盗カップル」

エンドロールでは主演の桐生一馬役を演じた北村一輝さんが一番最初に流れます。
そして2番目と3番目は誰だと思います?

澤村遥役の子役の夏緒ちゃん・・・は4番目。
あーじゃあ真島の兄さん・・・はずーっと下の方。

答えは塩谷瞬さんとサエコさんでしたー!

この二人は悟と唯というカップル役を演じていました。
映画のプロローグでもあるドン・キホーテでの戦いに巻き込まれた二人。(店名は違ってたけど忘れました)
唯はどさくさに紛れてレジの金&ヤクザのドスを盗んじゃいます!
そしてもっとお金が欲しいという唯のリードによって神室町で強盗事件を起こしまくる二人。

まあ言うなれば和製「ボニー&クライド」を狙ったという感じ。

この最初だけ桐生ちゃんの喧嘩に巻き込まれた二人が、強盗してお金を得て、最後に唯が死ぬまで延々と本編にカットインしてくるわけです。
さっきの銀行強盗とあわせて3本のまったく交わらないストーリーが流されるわけです。
まあ一本の映画で三本分見れるのでピカチュウのなつやすみみたいなもんでしょう、お得ですね。

韓国人殺し屋

さて、映画が本編含めて3本も並行して走っていれば、さぞかし詰め込みまくっているだろうと思いきやそんなことありません。
さらにもう1本。
謎の韓国人殺し屋が現れます。
この殺し屋と強盗カップルは微妙に交錯するのですが、本編にはほぼ交わらないあたり素敵です。

この殺し屋はすごくて、物語のキーマンである神宮京平という悪の親玉(一瞬で死ぬ)のヘリを狙撃するためにうろついています。
荒川良々演じる武器屋なのか情報屋なのかわからない変なキャラクターから武器を買いますが、狙撃するのですから狙撃銃、もしくはバトルライフル、ゴルゴ13式にアサルトライフルなんかをチョイスするべきでしょう。
その韓国人殺し屋がある銃を手に取ると武器屋である荒川良々が「それがいいの?ふ~ん、通だね。」といいます。

手に取ったのは・・・リボルバーでした。

S&W M29だと思います。
それに、照準器(スコープ)と銃床、サイレンサーをつけろと注文します。
リボルバーにサイレンサーっていうだけで非常に幸せな気分になれますね。
サイレンサーつけるよりもロングバレルのM29にしたほうがいいんじゃないでしょうか。
見た感じ6~6.5インチだと思うので・・・。
サイレンサーによって燃焼ガスが乱れて精度が落ちるとかそういう細かいことをいうやつは「通じゃない」でしょうね。

わざわざこれをスナイパーライフルみたいにするぐらいならライフル買えばいいのに。

そして狙撃するのですが、それとは関係なくミレニアムタワーが爆発して神宮は死にます。
この登場人物ほんとにどうしても必要だった?

ぜんぶ独立させればよかったんじゃないの?


真夏、東京。
銀行強盗に入る二人組。
しかし・・・金がなかった!?

文句を言う人質、二人組の大喧嘩!?
エアコンが壊れてサウナ状態!?
包囲する警察官がビール一気飲み!?
目を離すことのできないクライム・コメディの超大作!

W主演は遠藤憲一、ムロツヨシ!

おっちょこちょいな強盗たちの明日はどっちだ!?

『今西と中西』


今を生きる、若者たちに贈る映画。

「ねぇ、強盗しよっか!」
「はぁ!?」

熱帯夜の新宿をカップル強盗が駆け巡る!
牛丼屋、質屋・・・。
欲しいものはなんでも手に入れろ!

「唯、見えるか?」
「うん・・・きれいだね。」

刹那を生きる、リアルな若者の犯罪を描いた問題作!

『唯&悟』


日本、新宿。
巨悪を倒すために、ソウルから最強の刺客が送り込まれる!
彼の名は韓国人「パク」!

愛銃のM29リボルバーで悪いやつは皆殺し。
日本の腑抜けたガキどもに、銃の使い方までレクチャー。
一言も日本語をしゃべらない、邦画の意欲作!

『パク、リボルバーでヘリ落とす』


もういっそこんな感じで、分離してほしかったです。
そして龍が如くだけをしっかり映画化してほしかったですね。

北村一輝さんも、岸谷五朗さんも、松重豊さんもすごいよかった!
なのにこの脚本じゃ・・・。
ほんっとキャストだけは完璧なんですけどね。(錦山を除く)
唯と悟を演じた塩谷瞬さんとサエコさんの演技もよかったです。

映画としては

脚本-10点
真島+100点
キャスト+10点

100点の映画でした!

ほんっと真島役の岸谷五朗さん見れただけで幸せでした。

いろいろな意味で、いろいろな視点で面白い映画です。
WOWOWやHuluを契約していて見れたり、友達の家にDVDがあったりしたら観てみるといいと思います。
真島ファンの人だけ、お金を払う価値があるかも。
眼帯が左なら銃撃つときに違和感なかったと思うのですが。

監督としても、ただゲームを映画化したって評価されないから仕方ないとは思うんですけどね。

最後に、クレイジーケンバンドのアルバムGALAXYから数曲挿入歌として使われていたのも良かったですね。
ただ原作が12月で冬なのに、勝手に真夏に変更した挙句名曲と名高い12月17日をエンディングで使うっていうのはどうなんでしょう。
いっそここまでギャグテイストならAMANOGAWAをエンディングで使ったほうがよかった気もします。笑

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