アーバン・イージーリスニング系 HIP HOP『LIFE IS WONDER』焚巻

東京で、大都会で、煙の向こう側へ。

LIFE IS WONDER

HIP HOP素人のALVAです、こんばんは。
先日友人から勧めてもらった『LIFE IS WONDER』についてさらっと書いていきたいと思います。

焚巻がついにリリースしたファーストアルバム

埼玉県川越市出身のラッパー焚巻。
人気テレビ番組「フリースタイルダンジョン」のシーズン1で初めて4人勝ち抜きを成し遂げラスボス”般若”と戦ったことは有名ですね。
私はシーズン2の後半ぐらいから観始めたので残念ながら観れていませんが観た友人曰く「すごいかっこよかったよ!(語彙力)」とのことでした。
川越出身ではありますが池袋を拠点に活動しているそうで、今作のテーマも”大都会”となっているようです。

曲は全体的に本当におしゃれで、いわゆる世間一般のイメージするラップやヒップホップというものとはだいぶ違います。
リリックも極度にアンダーグラウンドな感じはあまりなく、むしろ大都会での生活をおしゃれに切り取ったような感じ。
誤解を恐れずに言えばイージーリスニングなヒップホップです。
ヒップホップに偏見のある人ほど受ける衝撃は大きいのではないでしょうか。

焚巻さんの特徴といえば「クリア・スピーキング」と「高速ラップ」。
ラップが早口だと情報量も増える上に聞き取りづらくなるものですがむしろとてつもなくクリアに聞こえるのが最大の特徴でしょう。
ほとんどブックレットが必要ないレベルです。

今作ではジャズなどの最近流行りのJazz HipHopを豪華にしたような感じのトラックですね。
少し無機質でソリッドな感じを受けるトラックに情報量の多い焚巻さんのラップでとても完成度が高いと思います。

Wonderで始まり、End Of Wonderで終わる

心音と電話の着信音で始まる1曲目”Wonder”。
目が覚めると大都会へ。
これまでのイメージからの脱却ということで「Wake upがテーマ」。

大都会での生き方や日常をかっこよく描いた歌詞が続きます。

そして9曲目の”End Of Wonder”で急行に乗って終わります。
今も川越に住んでいるとのことで、都会から離れたってことですね。
焚巻さんにとっては大都会こそがWonder。
離れる時にWonderも終わる。
でも明日になればまた新たなWonderが始まる。
ジャズのような豪華でしっとりとしたトラックで終わるのはカッコイイですね。

ピックアップ!

今回は1曲に絞って感想を書こうと思います。

4曲目 ”トウキョウジャズ”

有名なラッパー”輪入道”さんとのコラボレーション!豪華ですね。
最初は二人の会話からスタート。
何のことを喋ってるかはわかりませんが、大変そう。笑
高めの声の焚巻さんと、どっしりとした輪入道さんの組み合わせは凄い。
車が意外とシンプルで驚きました。
なんとなくラッパーのPVってすっごい高級車が出てくるイメージなんで。笑
そういう部分だけ切り取っても、ある種日本ではナンセンス化しているヒップホップという文化とはまた別の”新しいカッコイイHIP HOP”になっている気がします。

それにしても本当に輪入道さんは迫力がすごいですね。龍が如くレベルの迫力です。

ちなみに個人的には5曲目”Re-Vibes”と7曲目の”Future”こそがこのアルバムの二強だと勝手に思ってます。笑
特にFutureは本当に高いレベルの曲ばかりのアルバムの中でもピカイチ。
ブラスがお洒落だしラップはまるで流れるようです。
アウトロがこれまたいいんですよ・・・。
聴きやすくて”聞いていて気持ちいい”っていう音楽の根源的な魅力を感じます。

トウキョウジャズは冒頭や間奏に差し込まれる会話も味があっていいのですが、無いバージョンも収録してくれたらもっと嬉しかったかも。

ヒップホップは「ダサい」という偏見を打ち払うようなラップだけじゃなくてトラックにもこだわり抜いた音楽性の高いアルバム、必聴かもしれませんよ?

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